「アベノミクス」の演出した円安は日本経済を救うか
年明けの東京外国為替市場は、大幅な円安・ドル高で始まった。1月4日の正午現在の為替レートは1ドル=87円75銭と前日に比べて1円40銭も上がり、2年5ヶ月ぶりのドル高となった。これに連れて日経平均株価の午前の終値も1万700円となり、震災前の水準を回復した。
直近の要因は米議会で「財政の崖」を回避する法案を議会が可決したことだが、安倍首相の主張しているインフレ・円安の「アベノミクス」の影響もあるだろう。長期的にみると、2008年の世界金融危機で欧米の金融機関への不安が高まり、相対的に安全な通貨だった円に資金が逃避した「リスクオフ」の動きが落ち着いて、資金が欧米に環流した影響もある。
(図)2008年以降のドル/円レートの動き(Yahoo!ファイナンス)