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April 20, 2013

金利1%上昇で国内行の債券損失6.6兆円=日銀

[東京 17日 ロイター] 日銀は17日、金融システムの現状と展望をまとめた「金融システムリポート」を公表した。金融機関による国債を中心とした債券投資の影響で、金利が全年限にわたって1%上昇した場合、国際統一基準行で3.2兆円、国内基準行で3.4兆円、計6.6兆円の評価損が発生すると試算した。

昨年10月の同リポートでは6.7兆円と試算しており、小幅減少している。

自己資本とリスク量を比べた場合、リーマン・ショック並みの大幅な景気後退や金利の3%程度の上昇などが発生しても、「銀行の資本基盤が全体として大きく損なわれる事態は回避される」としている。

同リポートでは、金融システムが抱えるリスクについて、信用、株式、金利などリスク量全体として「総じてみると、自己資本との対比で引き続き減少している」と分析。ただ、金融機関の国債保有など有価証券投資のウエートが高まる中で、国内金融機関の「金利リスク量は総じて増加方向にある」としている。特に債券の平均残存期間をみると、大手行が2年半程度であるのに対し、地域銀行は4年程度、信用金庫は5年近くとなっており、リスク量の増加が顕著だ。

具体的には、大手銀行と地域銀行について、金利上昇による債券時価の変動を試算。国際統一基準行は、全年限にわたって金利が1%上昇した場合に3.2兆円の評価損が発生。同2%で6.2兆円、同3%で8兆円と見込んでいる。一方、国内基準行は同1%で3.4兆円、同2%で6.3兆円、同3%で8.6兆円となる。金利上昇に伴う運用利回り上昇で資金利益も改善するが、金利が3%上昇した場合、国際基準行の中核的な自己資本(Tier1)比率は1.1%ポイント低下すると見込んだ。日本の金融システムが全体として安定性を維持している中、その場合でもTier1比率は「全体として規制水準を上回る」としている。

もっとも、財政不安などで景気の上振れを伴わずに金利が大きく上昇するようなショックが発生すれば、保有債券の損失発生で自己資本がき損し、国際基準行を中心に「金融仲介機能が制約される可能性がある」とも指摘。金利が全年限にわたって2%上昇すると想定した場合、貸出の抑制や貸出金利の上昇などを通じて名目国内総生産(GDP)は最大で1.7%ポイント下振れると試算している。

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