January 22, 2023

投資観点でのルーマニア

ルーマニアはその名が示すとおり、ローマ帝国ゆかりの土地であり、東欧に位置しながらラテンのノリのある土地柄と言われています。

面積は本州と同じくらいで、人口約2000万人。

独裁化して1989年に処刑されたチャウシェスクに関しては、あまりに多くの悪評が語られていますが、経済面で一つ良い点を探すと、海外からの干渉を避けるため、80年代に極端な緊縮政策を取って対外債務を完済したことで、これによって負担の軽くなったルーマニア経済は冷戦終了後、比較的円滑に成長軌道に乗れたという評価があります。

2007年にEUに加盟し、累計で60億ユーロの助成金と低利融資を受けており、一人当たりの名目GDPは15000$と、この2年間で20%の伸び。アジアだと、マレーシアの3割増し、タイの2倍くらいのレベルになっています。

良く比較される隣国ハンガリーやポーランドの18000$にもう少し。IMFは今年のルーマニアの成長率を3.1%と予想しており、ポーランドやハンガリーを上回っています。

古くから石油が出ることで知られており、1860年代から採掘が始まったモレニ油田は世界で3番目に古い油田と言われています。

風呂好きのローマ人の影響からか温泉開発も盛んで、2017年にはヨーロッパ最大規模の温泉スパ施設「ブカレスト・テルメ」がオープンしました。

有名スポーツ選手としては、体操のコマネチ選手、テニスのシモナ・ハレプ選手などがいます。

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今週の相場(1/20時点)

今週のS&P500は0.7%安、NASDAQは+0.6%、日経平均は+1.7%。

米長期金利は3.50%→3.48%に下落、ドルインデックスは102.2→102.0、ドル円は127円80銭→129円50銭と円安方向。株も為替も小動きで、明確な方向性は掴みにくい展開に見えます。

今週は、日銀会合が世界的に注目されるという極めて珍しいイベントがありましたが、結局日銀はホテル「YCC」からチェックアウトして現実を直視する勇気を出せず、得意の問題先送り。インフレ下で金利を強引に抑え込むという愚策の継続を選択しました。

日銀次第では大きく円高株安という正常化(?)が進む可能性があったので、キャッシュを多めに用意してバーゲンを狙いましたが、無駄でした。日銀が買い支える日本株は、同じ場所を堂々巡りしています。

ドル円は失望によるショートカヴァーで128円から131円に一気に弾んだものの、基本的には材料が出なかったのですから、ポジション整理が終わると反動ですぐに127円まで戻り、そこから少し冷静な円安が進んで129円という推移。

19日公表の2022年貿易速報によると、貿易収支は19兆9713億円の赤字となり、比較可能な1979年以降で最大の赤字。投機的なポジションはいずれ消えるものなので、結局は貿易収支で為替が動くというのが伝統的なメカニズムです。

コモディティ市場では、銅が+1%、WTIが+2%と、依然として中国の経済再開方針への期待が資源価格を支えている様子です。

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January 15, 2023

投資観点でのカザフスタン

旧ソ連のカザフスタンでは、共産党一筋のナザルバエフが1989年から30年も大統領を務めてきましたが、ようやく2019年にトカエフ大統領に交代しました。

当初はナザルバエフの院政だろうと見られていましたが、最近のトカエフはプーチンと一定の距離を置き、ナザルバエフの不逮捕特権を剝奪するなど、権力の掌握を強める態度を見せています。

カザフ人は基本モンゴロイドなので、見た目は日本人そっくりの人が多く、ロシアからカザフに移住した日本人によれば、一見して外国人と分かってしまうロシアよりも安全に生活できるとのことです。

写真は、カザフ出身の十両力士「金峰山 晴樹(きんぼうざん はるき 本名 バルタグル・イェルシン)」さんです。  Kongousann_20230114112901

国土面積は日本の7倍で世界第9位、人口は1900万人。
一人当たりGDPは約1万ドルですから、アルゼンチンやメキシコと同じくらいです。
GDPは平均して年間4%程度の成長をしています。

2014年からトヨタが中央アジアでは初めて現地生産を開始するといった製造業の動きもあるものの、主要産業は石油や天然ガスなどの資源関係。とりわけウランの生産量は世界1位で、世界の半分を占めています。

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今週の相場(1/13時点)

今週のS&P500は+2.7%、NASDAQは+4.8%、日経平均は+0.6%。

米長期金利は3.56%→3.50%に下落、ドルインデックスは103.9→102.2と下方向、ドル円は132円10銭→127円80銭と、大きく円高。全体的にはドル安株高でした。

12日発表の米12月CPIは前年比で+6.5%、コアが+5.7%と全くの予想どおりという珍しい結果で、インフレ鈍化傾向が確認されました。

予想どおりなら相場は動かないはずですが、為替に関しては、12日当日の読売新聞朝刊の報道がインパクト絶大でした。

『日本銀行は17、18日の金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策に伴う副作用を点検する。昨年末の政策修正後も市場金利にゆがみがあるためだ。必要な場合は追加の政策修正を行う。』

これは、10年金利の上限を0.50%から再度引き上げる可能性が大きいと読めるので、国債ショート勢にとっては大援軍。

NYタイムでドル円は、130円台から129円台に突入し、さらには翌13日の東京時間で10年債金利が0.5%を超えたことで「日銀白旗か」の思惑が走って128円台に入り、再度のNYタイムで127円台です。

東海東京証券の佐野一彦氏は「市場は日銀が来週の金融政策決定会合でYCCを撤廃するとの予想の一択になっている」と指摘しています。

そもそも昨年の円安は、日銀が10年金利を固定しているからこそ日米長期金利差が過度に拡大したとも言えるので、いわば「日銀ギブアップしろ」の催促相場だったとも解されそうです。

米株相場のセンチメントは、FRBの利上げ終了を先読みしたリスクオンとなっており、VIX指数が20を割れ、Fear & Greed Indexは42→63と、一気にGREEDゾーン入りしています。

FedWatchでは、2月FOMCでの0.25%利上げ確率が94%と確実視され、FFレートは年内に5.0%に達した後、年末には4.75%が予想最多。0.25%刻みで2回上がって1回下げる、です。

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January 08, 2023

今週の相場(1/6時点)

2023年がスタートしました。本年第一週のS&P500は1.4%高、NASDAQは1%高、日経平均は0.5%安。

米長期金利は3.88%→3.56%と大きめの下落、ドルインデックスは103.5→103.9とやや上昇、ドル円は131円10銭→132円10銭と1円の円安でした。

金曜の米12月雇用統計は、雇用者数が22万3000人増と、11月の25万6000人から減少。失業率は前月の3.6%から3.5%に改善しましたが、賃金の伸びは前月の前年比+4.8%から+4.6%に減少し、前月比でも+0.4%から+0.3%に鈍化。11月の速報値+0.6%は+0.4%に修正されています。

雇用市場自体はタイトながら、賃金上昇率が鈍化しているのは、景気を殺さず、かつインフレ鎮静化にも良い傾向と捉えられ、金曜の主要株式指標は2%以上上がりました。

ゼロヘッジの記事によれば、正社員(フルタイムワーカー)は1000人減少し、パートタイマーが67万9千人増。かつ給与計算上のダブルカウント(二つの職を掛け持ち)が37万人増加と、見かけ以上に実態は良くないということなので、悪いニュースは良いニュースという観点からは株式市場に援軍でした。

なお2年債金利も、4.42%から4.26%に下落し、FedWatchによる2月FOMC予想は、0.25%利上げが76%と多数派です。

コモディティ市場では、天然ガスが16%安、WTIが8%安。欧州の暖冬もあって、エネルギー危機への懸念は後退している様子です。スペインのビーチリゾートは賑わい、スイスのスキー場は雪不足で悲鳴と報道されています。

ゴールドは+2%と、ドル高終了(?)を背景にしてなのか、買いが継続しています。

年明け最初のトレンドは、その1年を決めると言われていますので、今年のメインシナリオは、ドル横ばい株じり高、と想定しておきます。

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December 31, 2022

今年の相場(12/30時点)

今週でキリ良く年末となりましたが、2022年の株式相場は最後まで冴えない展開でした。

S&P500は年間で2割下げ、NASDAQは3分の1の価値を失いました。NASDAQは、これだけ下げてもまだ予想PER22倍で、割安とは言い切れない水準です。

FFレートは1年で0.25%から4.5%にジャンプし、米長期金利は昨年末の1.5%から3.9%となり、ドルインデックスは96から103と、7%上がりました。

ドル円は115円から131円と、およそ14%の上昇(円安)と、ドルインデックスの上昇率の2倍となっており、ドル高と円安の夢の共演(?)と言えそうです。

米長期金利は、10月の4.2%でピークを打った可能性が高いとの前提で、秋以降はドル安株高をメインシナリオとして相場を観察してきましたので、この4Q(10-12月)の結果を確認してみると、ドルインデックスは8%安、S&P500は+7%、ダウ(DJI)は+15%、NASDAQは1%安。参考までに、SOX指数も+10%です。

NASDAQを除けば、10月以降のドル安株高という視線は、さほど間違ってはいませんでした。

では、誰が悪いのか。

現時点で、GAFAMがナスダックの時価総額全体に占める割合は46%あり、これにエヌビディアとテスラを足すと52%と過半数。

この7社の時価総額は、年初来で612兆円ほど減少しており、これはNASDAQ全体の時価総額の減少分の68%と、下げ相場への貢献度抜群で、東京市場が丸ごと1個消えたようなものです。

メタとテスラは3分の1になり、アマゾンは半分になり、グーグルは4割減、アップルとマイクロソフトは4分の1減少。ちなみにビットコインは48000$から16000$台と3分の1で、メタ、テスラと同じ最弱クラスに分類されます。

こうしたビッグテック群では、コロナバブルによる厚化粧がモロに剥げ落ちましたが、今後に向けて更なる悪材料も観測されています。

ネット広告の頭打ち、クラウドサービスの競争激化、チャットGPTによるグーグルの牙城への挑戦、アップルのショバ代30%への暴利批判、テスラにはEV競争激化と中国市場不安、半導体業界では需要と投資の減少などなど。

テスラのチャートを見ると、年末になってセリクラ模様となっており、流石に底打ち気分が窺えるものの、では来年反発するのかというと疑問符が感じられます。

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December 25, 2022

今週の相場(12/23時点)

今週のS&P500は0.2%安、NASDAQは2%安、日経平均は4.7%安。

米長期金利は3.49%→3.75%に上昇、ドルインデックスは104.8→104.3に下落、ドル円は136円70銭→132円80銭と、大きく円高が進みました。

日本の11月消費者物価は前年比3.7%の上昇とインフレが進む中、日銀は10年金利上限を0.25%→0.50%に修正するように追い込まれました。

この結果、10年金利は先週の0.25%から一時0.48%に急騰し、現在は0.37%。実質的な利上げですから、為替は大きく円高方向へと反応し、日本株は大きく売られました。

そもそも日銀の言うところのイールドカーブコントロールとは、10年金利だけカーブをへこませる「イールドカーブの人為的な歪み形成」でしたから、この政策変更は正常化への前進と評価できる一方、世界のATMと言われた円じゃぶじゃぶ製造機の機能低下とも言えるので、世界的に株価にはネガティブな影響をもたらすと考えられます。

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なお、依然としてイールドカーブの歪みは完全に解消したとは言えないので、再度の日銀の軌道修正観測も燻っており、不確定要因がまた一つ増えたとも言えそうです。

また日銀は、10年の凹みを目立たなくするために、その前後の5年債や20年債を買ってカーブ全体を下げようとしているとのニュースもあり、懲りない日銀は世界の問題児です。

コモディティ市場では、天然ガスが22%安とバブル崩壊の様相ですが、WTIは+7%と反発。

欧州での天然ガスの在庫は比較的順調に積み上がっていると報道されていますが、原油に関しては、ロシアがEUの上限価格設定に対抗して減産するのではとの観測が広がっているようです。

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December 18, 2022

今週の相場(12/16時点)

今週のS&P500は2.1%安、NASDAQは2.7%安、日経平均は1.3%安。

米長期金利は3.59%→3.49%に下落、ドルインデックスは104.9→104.8、ドル円は136円50銭→同70銭と、為替はほぼ変わらずでした。

米金利低下でも意外にドルは強く、足元ではドルへの避難需要が感じられるものの、少し先を見通すと、秋までの強過ぎたドル高の反動が懸念されるところです。

13日発表の米CPIは改善(上昇率鈍化)しました。総合は、前月の7.7%→7.1%、コアは前月の6.3%→6.0%。いずれも予想より低く、喜ばしい結果でした。

内訳を見ると、モノ(財)関連は全て下落トレンド。遅効性の強い住居費と下方硬直性の強いサービス(人件費)関連が主な上昇要因ですが、足元の不動産市況やリストラ状況を考慮すれば、時間の問題と考えている人が多そうです。

特にコアCPIは、前月比+0.2%ですから、年率+2.4%と考えれば、足元のインフレ率は既に目標達成に近い水準まで下がってきたとの楽観的な見方さえ漂います。

コモディティ市場では、WTIが週間で+4%ですが、1か月では7%安。現在の75$という水準は、ピークの120$からは大きく下がっており、いまだ下落トレンドの中にあると見られます。

ロシアの主力輸出品であるウラル原油が、EUが定めた上限価格1バレル=60ドルを大幅に下回ってインドへ供給されているとの報道もあります。

翌14日のFOMCでは予想どおりの0.5%利上げで、FFレートは4.25~4.50%となりました。

市場が注目したのは、パウエル議長のホーキッシュな発言で、2023年の利下げの可能性を否定。また、FOMC参加者による来年末の金利見通しが、5.0-5.25%と、予想よりもやや高めとなったことも株にはネガティブとされています。

また、15日発表の米小売り11月売上高が、前月比0.6%減少と予想を下回ったことも売り材料と解説されており、インフレよりもリセッションが気になり始めると、「悪いニュースは良いニュース」ではなく、「悪いニュースは悪いニュース」です。

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December 11, 2022

今週の相場(12/9時点)

今週のS&P500は3.4%安、NASDAQは4%安、日経平均は+0.4%。

米長期金利は3.49%→3.59%に上昇、ドルインデックスも104.5→104.9に上昇、ドル円も134円30銭→136円50銭と上昇と、ドル高株安でした。

先週、12月FOMCでの利上げ幅縮小観測で喜び過ぎた反省模様といった風景でした。

来週のCPIの前哨戦として注目されていたPPIは、前年同月比で前月の8.0%→7.4%に低下。コアも、6.7%→6.2%に低下と、改善傾向ではあったものの、いずれも予想は上回っており、株価にはアゲインストとなりました。

10年債金利と2年債金利の逆イールドは一時0.85%まで拡大(現在は0.76%)し、深いリセッションが到来するのではという懸念も、株式を持ちにくくしています。

コモディティ市場では、WTIが10%安。最終的に現物を引き取らなければならない商品先物市場は、株式市場よりも景気後退による悲観がストレートに反映される傾向があると感じます。

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December 04, 2022

今週の相場(12/2時点)

今週のS&P500は+1.1%、NASDAQは+2.1%、日経平均は1.8%安。日本株は円高がネガティブです。

米長期金利は3.69%→3.49%に低下、ドルインデックスも106.1→104.5に低下、ドル円は139円20銭→134円30銭と、ドル円は大きく円高方向に振れました。8月以降の円安のフローが強かっただけに、反動も大きくなっています。

現在のドル円は200日線近辺にあるため、一定の支持効果はあると思われるものの、依然として円ショートポジションは多めであり、年内に節目の130円まで調整するリスクも小さくはない、というのが概ねのコンセンサスではないかと思われます。

FRBのパウエル議長が水曜の講演で、12月FOMCでの利上げ幅縮小を具体的に示唆しました。これまでの「近いうちに(soon)」から一歩進んだことを歓迎して、相場は株高に進みました。

FedWatchでは、次回FOMCでの利上げ予想は+0.5%が78%を占めており、よほどの事が無い限り、0.75%利上げは4回で打ち止めになりそうです。

そして来年前半も利上げが続き、最終的なFFレートは5.0~5.25%程度となり、来年末においても4.75%近辺の高金利状態が続くという予想が大勢です。

議長の判断を後押しするように金曜の雇用統計は弱いはず、と思っていたら強い内容で、雇用者数は予想の20万人を上回る26万3千人増、平均時給は前月比0.6%増と、今年1月以来の大幅増加となり、前月の+0.5%から加速してしまいました。

それでも本番は13日のCPIということもあり、公表直後の金利高ドル高反応は次第に消えて、株安も小幅で終了。今週を通してみれば、ドル安株高のメインシナリオが維持されました。

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