ネットエージェント銘柄考察
ネット広告に関しては昨年来強気の意見が多く、その中でも人気のサイバーエージェント(CA)は、年初から一時3倍以上になりましたが、ここに来て急速に熱が冷めています。
とはいえ、2004年のネット広告市場そのものについては全体では3割増、ヤフーのように強力なポータルサイトにおいては70%増というリアルな数字があるので、過熱感は収まるにしても、まだまだ一定の人気はありそうです。
いくつかの銘柄についてPER中心に比較検討をします。
CA 04/9 当期利益予想 1020M(-) EPS 3129円 PER110倍
05/9 1200M(+18%) 3682円 93倍
DAC 04/11 400M(+42%) 1669円 129倍
05/11 550M(+38%) 2295円 94倍
CCI 05/3 480M(+74%) 1885円 97倍
オプト 04/12 220M(+41%) 8091円 67倍
(注)CAの04年度については特別利益の影響を排除するために、経常利益の60%を当期利益としました。
04年度決算期で比較すると、DACのPER129倍が一番高く、博報堂のバックアップやヤフーとの提携などを材料に、成長期待が最も強いのかもしれません。
決算期の違いからCAは既に新年度入りしていますし、DACも同様に近いので、CAを05/9期、DACを05/11期、CCI05/3期で比較すると、興味深いことにこの3社のPERは93~97と非常に狭いレンジに集中しています。
常々DACは割高なのではないかと思っていたのですが、こうして見ると上手くバランスしているものだと妙に感心してしまいました。
オプトのPERが低いのは、4社の中で最も絶対利益額が低く、規模的なアンダーバリュー感が働いていることや、そもそも数字の達成確率に対する不安が価格に織り込まれているものとも考えられるでしょう。
出来高が少ないのは、成長コンセンサスがまだ十分ではないと推測されますし、こうして並べて見ると、改めてリスクが高いと認識されます。
CCIの株価が先日の20%近い上方修正でほとんど動意しなかったことも、これでようやく他の2社と同等のヴァリエーションになっただけと考えれば頷けます。
CAは社内ベンチャーに積極的であり、今後もネットプライスに続く子会社上場可能性の内在や、藤田社長のカリスマ的な経営能力に根ざす強い期待感、勝ち組への最短距離ポジション等を考慮すると、他銘柄より高評価でもおかしくないと言え、だからこそ一時的にせよ、現在の2倍以上にあたる130万円台(2分割前)を成立させたものと考えられます。
高成長、高PER企業としては、05/9の予想EPSが実質伸び率18%では物足りないという投資家も多いかもしれないので、この辺りは来月15日に予定されている決算発表時の次期予想が注目されるところです。
なお、アメリカのオンライン広告に関しては慎重な見方もありますので、紹介しておきます。
BlogRankingは、サイト紹介文が40字追加出来る位置まで来たので、今までの自分の投資スタイルを60文字で表現してみました。
是非ご覧ください。
なお本稿と同文を「個人投資家の独り言」にも掲載いたしました。
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