エネルギーを支配する者が市場を制するのか
今年最初の大きなニュースは、ロシアのガスプロムによるウクライナへのガス供給停止でした。
ユーコス事件によってホドルコフスキーをシベリアに葬ったプーチンの狙いは明確で、エネルギーを軸に強いロシアを復活し、2008年に大統領を退いた後の地位を確固たるものにしようということです。
今年6月のロシアサミットが、世界とロシア国民に向けての最も重要なプレゼンテーションの場として位置づけられていることは言うまでもありません。
ロシアが初めて議長国となるこのサミットのテーマは、既に「エネルギー」と決まっています。
昨年9月ロシアは長年バレンツ海の領海線問題で対立してきたノルウェーと資源開発で合意し、ガスプロムとノルウェー企業との共同開発事業を発表しました。
また、プーチンは同時期にドイツを訪問し、ウクライナ、ポーランド、バルト諸国をバイバスし、バルト海経由でロシアとドイツを直接繋ぐ天然ガスパイプラインの建設契約に正式調印しています。
今やプーチンの意のままとなったガスプロムを利用し、旧CIS諸国へ強烈な揺さぶりをかけると同時に、ヨーロッパへの影響力を徐々に高めて行こうという戦略は着々と実行に移されています。
3月にはウクライナで議会選挙が実施される予定であり、親ロシア政権の誕生のため、プーチンは今後も巧妙にウクライナに圧力をかけていくでしょう。
年初からプーチンの仕掛けで始まったエネルギー不安を、年明けのWTI価格がどう織り込んで行くかが重要です。
エネルギー危機を煽る心理が利用されて、再び原油価格が高騰し、NYのみならず世界の株式市場を不安に落とし入れるなら、世界の株価がプーチンのご機嫌を窺うようにならないとも限りません。
Comments
はじめまして。
また、TBがダブってしまい申し訳ありませんでした。
私は政治面でロシアを監視するようにしています。(だからと言ってロシアには痛くも痒くも無いでしょうが(笑) 領土問題に去年は中共、北鮮、韓国のマネをして歴史認識で文句を言ってきました。 本当に腹が立つ国です。(ロシア人はいろんな人がいるでしょうが)
Posted by: 笹団子 | January 04, 2006 01:09 AM