コモディティ化する中流層
消費は二極化しています。
消費者の好みは高額品と、機能はそこそこの割安品に二極化し、売り上げも読みにくいという。 自動車も国内販売は厳しく、売れるのは軽自動車か高額の輸入車などで、中間価格帯の買い替えが進まない。16日朝日新聞朝刊
日用品やありふれたモノ(コモディティ)は安さで選ぶ。
自分の選択センスが問われる商品は気合を入れて付加価値に金を払う。
製造業において最も付加価値を生みにくいのは「組立(アセンブリ)工程」というのが経営学の常識です。
日本は原材料を輸入に頼り、欧米の消費地からも遠隔であるという不利な条件を、「カイゼン」「カンバン」などで克服し加工貿易により繁栄を謳歌しました。
その成功体験はいつしか総中流社会を理想とし、均質で大量の労働力を生み出すことが国家目的化しました。
「○○ちゃんは良くわかっているから、遅れている××ちゃんを助けてあげましょう」
「ハーイ」
組織内で「異端児」を発生させないことに重点が置かれました。
欠点がないけれど特徴もない大量の組立労働者はいまやコモディティ化し、時給800円に対し、私は780円でも働きます、と安さを武器にするしか仕事が得られない状態です。
カーマニアだった白洲次郎は「No Substitute」の車を作れ、と国産メーカーを鼓舞しましたが、代替性がないモノ作りこそが生き残りの条件。
OECDによると、日本の研究開発費は中国に抜かれました。
ソニーは液晶ではサムスンに、携帯ではエリクソンに力を借り、リチウムイオン電池とCCDではリコールを発生させました。
「技術立国日本」は崩壊の入り口にあり、為替市場は日本の競争力低下によるマイナス成長リスクを織り込みつつあります。
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