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June 30, 2007

中国政府もつらいよ

29日のNYは激しい値動きとなり、プラス103$からマイナス107$まで急降下し、最後は小幅安で終了。

原油は70$を突破。
債券は大きく買われて長期金利は5.03%。
日本の長期金利も金曜日は1.88%と0.047%も下がっています。

一時ほど金利がドンドン上がっていくというムードは消えたものの、相変わらず資源価格の高止まりが続きそうなため、株式には強弱感が対立して不安定な状態と言えそうです。

J-REITも、金利の落ち着きを好感した買い支えがあるものの、上値追い気分はすっかり消え去り、今のところは底練りに近いような状態です。

この2ヶ月間で米国長期金利は、4.6%から瞬間的に5.3%まで上昇し、現在多少落ち着きは見せているものの、以前のような債券市場楽観論は聞こえなくなりました。

中国政府は3月にシンガポール政府系投資会社をモデルに外貨準備の運用を手がける新機関の設立を発表。

そして4月には、中国の「米国債」保有残高が、前月末比58億ドル減の4140億ドルとなり、2005年10月以来、初めてマイナス成長。

5月にはブラックストーンに出資することを発表。

こうした中国政府の姿勢の変化が債券市場に波乱を生み出した主因であることは間違いの無いところかと思います。


中国の外貨準備を管理する人民銀行は、その反対勘定に市中銀行への負債(当然金利を払う)を持っています。

借方に外貨資産、貸方に元建て負債という150兆円のバランスシートになってしまったため、元を切り上げれば外貨資産が目減りしてしまいますし、政策金利を上げれば市中銀行への支払いが増えるというジレンマポジションを構築したことになります。

従って、この巨額な外貨を運用効果を極大化することは、やや大げさに言うと国の命運を賭けた課題です。

運用が上手くいかなければ元の切り上げが出来ませんし、逆に言えば、運用結果次第では政策余地が大きく広がり、金利上昇で株式バブルを沈静化し、元も徐々に切り上げても資産の目減りを防ぐことが出来ます。

7月5日からQDⅡの枠が広がりますが、これによって大陸から香港へスムーズに資金が流れるかどうかも重要です。

急激すぎて上海大暴落なら香港も連れ安でしょうし、効果が無ければそれも困る。

元の急激な上昇が零細企業と国内農家に打撃を与えることを避けたい一方、多くの観光客が集まる北京五輪までに、元の国際化、自由化を進められなければ、大国中国の面子にも関わります。

中国国内の格差是正による内需拡大、そして外貨準備高の好運用による利益拡大を背景に、金利上昇を許容し、元も着実に切り上がる。
上海バブルは金利上昇による貯蓄率の回復と香港市場への資金流出により、ソフトランディング。
A、B、H株の価格差も次第に縮小し、統一市場への移行期待から外資が積極的に参入して市場は厚みが出る。

こうなれば誰にとっても最良のシナリオですが、果たしてこんなに上手く行くかどうか。

5年振りの党大会を秋に控え、これから来年夏までの1年間は、中国共産党にとって本当の正念場と言えそうです。

なお今月は金利上昇によりREIT市場が急調整したことでマイナス180万円。
中国株がプラス80万円。
その他FXと国内株で少しプラスがあり、合わせてマイナス80万円の成績でした。

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