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September 02, 2007

「若さ」とは「弱さ」の時代

日経MJが「巣ごもる20代」という見出しを付けて20代の若者への調査結果を発表しています。

「若さ」は従来「逞しさ」や「美しさ」の代名詞であり、誰しもが若くありたい、と願って多くのエネルギーとお金を費消しています。

本来「若さ」の持つ強みとは、可能性の広がりと体力(健康)かと思います。

しかしながら、日本のように人口減少でチャンスが収縮して行きかねない社会において、無限の可能性は、現在の基盤の弱さでもあります。

これから何でも出来る、というのは、とりあえず今は何も出来ていないことの裏返しですし、体力勝負ではシニア世代に勝っても、韓国や中国のパワーに勝てません。

原理主義的な市場経済の力が強まりつつある現代において、資本力を持ち合わせない純粋な若さはむしろコモディティ化しつつあるようです。

団塊世代から大量の借金と年金負担を押し付けられ、守りに入るしかないじゃん、というのが案外20代の本音なのかもしれません。

国内で車が売れない、と言われて久しいのですが、若い世代に取って、車の最大の効用は「デート」かと思います。

バブルの頃は、全体が底上げされる中で、小道具によるプレゼンテーションが有効でした。

誰もが右上がりを信じる環境では、職業による差が比較的少なく、六本木ではディスコの黒服がエリートサラリーマンよりも幅を利かせ、車、時計、ファッションなどで自分を飾ることが、異性にアピールしました。
お洒落な店を知っていることも結構ポイントでしたが、今は瞬時にネットで共有化されています。

今どき、新車を買ったぐらいでは女性も付いてきませんし、少数の「勝ち組」と多くの「負け組み」に二極化され、小道具くらいでは立場が逆転できないほど大きな収入差が付いてしまったことも、消費に目が向かない理由かと思います。

可能性と希望に満ちているはずの20代は、不確実性と不安に怯えて「巣ごもり」している様に見えます。

先日30代前半の同僚から、家を買いたいが資金が足りない、という相談を受けました。

「君たちの世代は虐げられているのだから、親から援助を受けるのは、言わば当然の権利だろう」と、普段思っていることを少し誇張気味にしてアドバイスしたところ、数日後、その通りにして希望のマンションを買いました、と笑顔で報告を受けました。

とっても素直なのも、若い世代の特徴のようです。

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Comments

まったくおっしゃるとおりです。人口が減少し、円安が進み、若者の負担が軽減し、世界労働市場と日本労働市場が拮抗するようになれば、多分、また若さが価値につながるんでしょうが、もう少し先の話でしょうね。この話の流れで、今後の人口動態を考えれば、投資対象をChinaよりもIndiaにそろそろ少しづつシフトしていきたいとも思っていますが、この点、どうお考えでしょうか?

Posted by: Blue | September 02, 2007 07:50 PM

中国とインドの今後のパフォーマンスについて、現時点でどう判断出来るのか、私には良くわかりません。

投資環境としては、中国の方が情報が多く、個別銘柄への投資も簡単ですから、私は当分中国に投資します。

中国もインドも内陸農村部の貧困という共通の課題があります。

加えてインドにおいては、ヒンズー教とイスラム教との宗教対立やカースト制に対する国民の不満によって国内政治が混乱するという潜在的リスクがあるかと思います。


Posted by: akazukin | September 03, 2007 09:57 PM

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