« まるで去年の総集編 | Main | どこまで行くのか商品市場 »

January 08, 2008

人民元はどこまで上昇出来るのか

今年の人民元の上昇スピードは年10%。
特に北京五輪後は景気引き締めのために加速するだろう。

などという意見を聞くと、天邪鬼の私は、本当にそこまで上げられるだろうか、という気になります。

貿易黒字と外貨準備高は良く混同されますが、別物です。

政府が貿易しているわけでは無いので、貿易による外貨は民間が持っています。

政府は利付債券を発行して元を借り入れ、それを外国為替市場で売ることで外貨を持つのが基本形。

簿記で言うと、貸し方(右)が人民元建て負債、借り方(左)が外貨建て資産ですから、人民元の上昇は負債の増加。

仮に負債の金利が3%で、人民元上昇率が10%なら、最低でも運用目標は13%となります。

中国の外貨準備高は現在150兆円あると言われていますので、GDPの約半分。
5%損すればGDPの2.5%が吹っ飛びます。

昨年人民元は米ドルに対して7%上昇しましたが、これは人民元金利とドル建債券利回りとの利ざやでは賄えません。

では外貨準備会計はマイナスなのか、というと多分そうでは無いのでしょう。

かつて中国は国有銀行の不良債権処理のために、外貨準備で購入した米国債を国有銀行の資本注入に使っていました。
その銀行がIPOした時に、具体的にどうしたのかはわかりませんが、様々な帳簿上の工夫(操作?)が出来る機会はあったはずです。

もっとも、こうしたなりふり構わない禁じ手的な手法がいつまでも通用するわけでもありませんから、真っ当な手段で運用益を稼ぎ出さなければいけないという背景が、中国のSWFファンド誕生の理由でもありそうです。

元高防止のための介入が、多額の外貨準備を生み、それ故に元高が運用上の損失を招くという、自縄自縛的な状況が、近い将来大きなジレンマとして中国を苦しめることになりそうです。


この記事が参考になりましたら BlogRankingに一票をお願いいたします。

|

« まるで去年の総集編 | Main | どこまで行くのか商品市場 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




« まるで去年の総集編 | Main | どこまで行くのか商品市場 »