経済と軍事の「捻じれ」
イラク問題で孤立を深める米軍は、アジアでの軍事負担軽減のため、自衛隊をグリップして離さないように私には見えました。
そもそもどこがミサイルを飛ばして来る想定なのかというと、それは北朝鮮なのでしょうが、対北朝鮮政策を急速に軟化させたのはアメリカ自身。
かつての仮想敵国ロシアはエネルギーを巡って欧州とはしっくり行っておらず、安全保障上はむしろ東アジアとの関係を重視して来る可能性があると私は思っています。
中国は、上海万博が終われば、最大の政治課題である台湾問題に取り組むでしょうから、台湾海峡有事は現実性が高く、アメリカも中国の軍事大国化は気になるところ。
もしも米中の緊張が高まる事態となれば、日本の立場は極めて微妙です。
日本が、政治的経済的にアメリカからアジアに軸足を移して行くのは必然と思われる状況下、軍事的にはますますアメリカへの依存度を高めているのは奇妙なバランス感覚です。
EUが、色々問題があっても前向きに動いているのは、ただ一つ。
ドイツが二度と戦争しないように封じ込めるという目的があるからでしょう。
その大義のためなら、全ては些細な問題となり、フランスは伝統あるフランを捨て、相討ちするかのように、ドイツにマルクを捨てさせました。
世界の潮流は、アメリカの味方か敵か、というこれまでの選択肢から次第に距離を置き、地域諸国間での安全保障に移ろうとしているように思いますが、日本はそうした流れに対してむしろ逆らっているとの見方も出来ます。
これこそが、日本の最大のねじれであり、日本株一人負けの遠因なのかもしれません。
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Comments
いつも楽しく拝見しております。
このNHKスペの番組タイトルが直前に180度変更されたのはご存じでしょうか。
第1回 問い直される日米同盟(仮)
↓
第1回 深まる日米同盟
第2回 変わるガイアツ日本市場開放の舞台裏(仮)
↓
第2回 ジャパン・パッシング“日本離れ”との闘い
「閉ざされた言語空間」では志高い政治家もやりづらいだろうと思います。
Posted by: code geass | January 30, 2008 12:30 AM
それは知りませんでした。
内容にそぐわない、妙ななタイトルだな、とは思っていましたが。
ちなみに、第三回も
「大リーグ 日本を脅かすビジネスパワー(仮)」 から
「日本野球は“宝の山”~大リーグ経営革命の秘密~」 に変わっているんですね。
こうなると、次の「問われる“超”格差社会 ~大統領選挙・ハートランドの選択~(仮)」も、「問われる」「格差社会」という放送禁止用語が二つも含まれていますから、当然変更でしょうね。(笑)
情報ありがとうございましたございました。
今後ともよろしくお願いいたします。
Posted by: akazukin | January 30, 2008 08:53 AM