誰が世界を食べさせるのか
今年になってからの主要商品の上昇率です。
NY金 +8%
NY銀 +14%
NYプラチナ +20%
NY原油 -8%
シカゴ小麦 +21%
シカゴ大豆 +15%
ICE砂糖 +15%
ICEコーヒー +9%
プラチナは南アフリカでの電力問題によって高騰していますが、総じて農>工と言えそうです。
景気はどうあれ、人間は食べるのですし、最近は車も食べます。
世界の穀物生産量は約21億トン。
この内輸出されるのは3億トンと15%しかありません。
主要輸出国は断トツにアメリカで、概ねコーンの6割、大豆の4割、小麦の2割を占めています。
穀物相場が下がると一番困るのはアメリカですから、世界に需要を作り出す必要があります。
まずはマクドナルドが先兵となって肉食を広め、その後で穀物メジャーが売り込みに走ります。
日本の輸入量は28百万トンで、貿易量全体の約1割。
中国の生産量は5億トンで世界の4分の1。
小麦は何とか自給、コメとコーンは輸出していますが、大豆は輸入に頼っています。
食品のインフレに悩む中国は、今年1年間、穀物と穀物製品57品目に5~25%の輸出関税を課すこととしているため、需給の逼迫が懸念されていましたが、そこに先週米農務省が小麦も大豆も推定在庫量を下方修正し、需給不安に拍車をかけました。
長期的な需給動向は、やはり中国次第。
『中国工程院報告書』によると、中国の穀物需要量は、肉食化に伴い、1997年の4.65億トンから2010年には5.9億トン、2030年には7億トンになると予想。
これを基に試算すると、2030年には中国の穀物不足は2億トン余りとなり、世界の貿易量の3分の2を中国だけで買い付けてしまうことになります。
加えて、コーンの30%、小麦の50%を生産している華北地方の水不足が心配されます。
「南水北調」という政策に代表されるように、そもそも全国的にみれば人口の3分の1を占める華北地域の水保有率は6%。
ジムロジャーズはその近著「A Bull in China」 の中で、中国の大きなリスクとして、水不足問題を取り上げていますが、その結びの部分を紹介します。
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もし中国が水問題に絶望したら、石油を海外に求めたように、近隣ロシアに水を求めに行くだろう。
私はかつて自分のバイクでシベリアのバイカル湖周辺を走ったことを忘れないだろう。
この世界最大の淡水湖は、世界の淡水の20%以上、北アメリカの五大湖全てを合わせたよりも多くの水を深く蓄えている。
興味深いことに、かつてここは中国帝国の一部であった。
シベリアには豊富な水があり、人はわずかしかいないが、この水を南に向かわせるには多くの年月がかかるだろう。(拙訳)
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抜け目の無いプーチンは、最近バイカル湖周辺を観光経済特区に指定して積極的に開発を進めています。
世界最終資源戦争は、水を巡る戦いになるのかもしれません。
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Comments
突然のコメントで失礼します。ジム・ロジャーズ非公式ファンサイトというサイトの管理人をしているみかんと申します。
AKAZUKINの投資日記との相互リンクをお願いしたくコメントさせて頂きました。
ぜひ当サイトと相互リンクして頂けないでしょうか?
勝手ながら当サイトからはすでにリンクさせて頂きました。
http://www.jimrogers-fun.com/sougolink.htm
(並び順は先着順となっています。)
もしよければ下記のどちらかにリンクして頂ければと思います。
ジム・ロジャーズ非公式ファンサイト
http://www.jimrogers-fun.com/
ジム・ロジャーズ情報ブログ
http://blog.jimrogers-fun.com/
なおご迷惑なようでしたらお手数ですがこのコメント削除して下さい
何卒よろしくお願い致します。
Posted by: みかん | February 11, 2008 06:08 PM
みかんさん、こんにちは。
「ジム・ロジャーズ情報ブログ」は以前から時々拝見していました。
右側の株式サイトリンクと、左側のドリコムRSSに追加させて頂きました。
今後とも是非よろしくお願いいたします。
Posted by: akazukin | February 12, 2008 07:08 AM
相互リンク受けて頂きありがとうございます。
こちらこそよろしくお願い致します。
Posted by: みかん | February 12, 2008 07:29 AM