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February 05, 2008

ルワンダの悲劇は繰り返されるのか

Cnn200801290010

今年に入ってアフリカは揺れています。

1月5日にスタートする予定だった「ダカールラリー2008」(通称パリ・ダカ)は、モーリタニアの治安悪化などを理由に開催中止となりました。

昨年12月末にモーリタニアでフランス人家族4人の殺害事件が発生し、これがアルカイダによるテロと指摘されていることが直接の理由と言われています。


ケニアでは、昨年末の大統領選でキバキ大統領が再選されましたが、最大野党のオディンガ氏は選挙に不正があったとして強く抵抗。

事態はキバキ大統領と同じキクユ族とオディンガ党首の 出身部族ルオ族の部族対立の様相を深め、既に1000人以上が死亡し、20万人以上が難民となったと報道されています。

キクユ族の比率はケニアの人口の2割。
ルオ族以外の少数民族もいるため、ルワンダのようにツチ族とフツ族が国を二分して争う状況にはならないとの見方も有力ですが、予断は許しません。

アフリカの中では優等生と呼ばれ、日本からも年間1万人以上が観光で訪れるケニアでさえ、一歩間違えば、民族対立が先鋭化化するという事実を再認識させられました。

Photo10

あのスーダンの隣国であるチャドの内戦も激化しています。

ダルフール紛争の影響で多くの難民がチャドに流入し、またスーダン政府の支援を受けた、ジャンジャウィードと呼ばれるアラブ系武装集団は頻繁にチャド領内に進入。
抵抗する住民を無差別に殺害し、多くの国内難民を作り出しています。

チャドには、EUの平和維持部隊が今月から派遣される予定でしたが、それを阻止するため、意図的に戦闘を拡大していると、チャドのアラミ外相はスーダン政府を非難しています。

ダルフールの混乱がチャドに輸出されている状況ですが、先進国はスーダン政府に弱腰です。

スーダンと言えば、中国が利権目当てに政府を支援という事実ばかりが語られますが、日本のスーダンからの石油輸入量は、この6年間で10倍に増えたと報道されています

資本主義は、次々と新しい中間所得層を生むことで、健全に持続します。
アフリカはその意味では夢の大地ですが、その現実はあまりに暗いと言わざるを得ません。

アフリカの悲劇は、貧困による富の奪い合いが、さらなる貧困を生む負の連鎖。
しかし、身勝手な国境線を引き、部族対立を巧みに統治に利用した宗主国の責任が、公式に問われることはありません。


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