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May 05, 2008

中国が日本を捨てる日

4月27日に放送されたNNNドキュメント「中国が日本を捨てる日」は、日本の食糧問題がテーマ。

中国製品は信用できない。
安全な食品を買いたい。

こうした消費者の声に応え、札幌の生協は、国産材料を用いたギョーザ作りに乗り出しました。

現在の売値10円を12円に抑える目標でしたが、結局5倍の50円になりました。


魚のフライは1個19グラム。
決められた重量を守るため、中国の工場では、魚が何度も計りに乗せられ、形を綺麗に整えられます。

中国で食品工場を展開する長山フーズの社長は、細かな規格にこだわる日本の消費者の姿勢を、「くだらない。ナチュラルで良いはず。」と苦悩をにじませます。

そもそも中国の農業に農薬を持ち込んだのは日本人、と日本人バイヤーが証言します。

高価な農薬は、中国ではほとんど使われていなかった。
日本人はわずかの虫食いを嫌い、野菜に工業製品のような均質性を求めるから。

そのための農薬の導入でした。

過剰な要求に疲れ果てた中国農家は、「もう日本向けには作りたくない」と、国内向け商品を作り始めています。

日本の食糧輸入高は年間約6000万トン弱。

期限切れや食べ残しで、食糧の廃棄は年間2000万トン。

こうした深刻な状況において、安くて安全という消費者の我侭がなぜ通るのか。

国内の供給過剰体制が原因でしょう。

日本には、日本資本で作られた海外での生産能力を含め、過剰な供給能力がある割りに、需要は伸びないのです。
供給サイドの過当な競争が消費者の過剰な要求を正当化し、あるべき姿は影に隠れてしまいます。

日本人が変わるか、海外で売るか。

日本が変わらない以上、結局のところ、市場を日本以外に求めた国内資本だけが、勝ち残るという理屈になるのだと思います。


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