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May 24, 2008

日銀はどう行動すべきか

Paratto

長期金利は3月下旬から上昇に転じて1.755%。
住宅ローン金利の上昇も噂されています。

身近な食品価格が上がり始めたことで、インフレが迫っているという実感を持つ人も急速に増えています。
ワタミの中ジョッキは、10%近く上がりました。


一方で日本の住宅価格は都心でも一服、郊外では強い値下げ圧力に晒されていて、10~20%程度の調整が必要だろうというのが一般的なマーケット認識です。

公表されたCPIのデータとして、最新のものは、3月分ですが、

(1)総合指数 前月比+0.5%、前年比+1.2%
(2)コアCPI(除く生鮮品) +0.4% +1.2%
(3)コアコアCPI(除く食料、エネルギー) +0.5% +0.1%

アメリカでコアCPIといえば、食料とエネルギーを除いているので、日本のコアコアがアメリカのコアです。

従って、上の(2)は無視して、(1)と(3)で議論するのがふさわしいかと思います。

そうすると事実認識はいたってシンプルとなり、輸入インフレ効果を除けばCPIは前年比+0.1%、国内の需給逼迫等によるインフレは心配無しです。

白川日銀総裁は、景気と物価の両睨みの中立スタンスでしょうから、以前の全然予想が当たらないフォーワードルッキングからは一歩現実を直視する姿勢に変化しました。

単純に言えば、輸入インフレに利上げは効果ないでしょうから、コアコアCPIが大きく上昇しない限り、緩和の姿勢を取るのが自然です。

最近のJ-REITや新興不動産会社の動向を見ていると、必要以上に金融機関の融資姿勢が厳しく、ファイナンスができない事例が増えています。

バブルに懲りて正常な融資さえ止めてしまう愚かな金融庁の指導の隙間を埋めていたのが外資系金融機関ですが、サブプライム問題により、それもストップした結果、不動産取引の現場では金融が目詰まりをおこしています。

私の実感では、ドルは売るほどジャブジャブですが、円は足元の流動性が不足気味です。

株式を含め、資産価格の下落傾向は、消費に波及。

4月全国百貨店売上高は前年比‐3.4%、春物衣料や高額品が不振。
勝ち組と言われ、事実上三越を救済合併した伊勢丹の新宿本店でさえ、3月は1.8%減、4月は0.8%減と2ヵ月連続マイナス。

輸入インフレにより、国内需要の一部が海外に流出してしまっているのですから、それを補うことが重要です。

今さら財政の出動が効く訳も無く、日本は今、積極的な金融緩和により需要喚起することが何よりも必要な状況になっており、それこそがフォーワードルッキングの正しい姿勢だろうと考えられます。


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Comments

正直、白川さんの発言を読むと好感がもてます。

政治家との立ち回りがお上手でない?ことが幸いしたのか理由は不明ですが、、、前任者と比べて真正面から今の日本経済を見据えていると感じます。

生産、所得、消費の好循環に基づくフォーワードルッキングという原理主義に固執することなく、「今」の日本に相応しい政策まで踏み込めれば後々まで名が残る名総裁になると思います。

利下げまでは踏み切れそうにないように思いますが、私個人的には、コアコアが1.0くらいに上昇するまでゼロ金利を継続して、内需を惹起し続けるべきと思います。

Posted by: Blue | May 24, 2008 10:52 PM

白川氏は学者肌であり、「利上げは日銀の勝ち」といった伝統的DNA(?)を、あまりお持ちではないのが良いかもしれません。
そもそもタスキがけ人事により、日銀VS財務省という対立の構図を作ってしまったのが不幸の始まりのような気もします。
今の日本人は私も含めて将来に悲観的過ぎるので、是非金融緩和政策で背中を押してもらいたいものです。

Posted by: akazukin | May 25, 2008 09:15 AM

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