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May 23, 2008

逃(TAO)

チベット、四川省と中国内陸部での事件が続くからというわけでもありませんが、ずっと捨てずに大事にしているこの本を紹介します。

1995年の講談社ノンフィクション賞を受賞した逃(TAO)―異端の画家・曹勇の中国大脱出

著者の合田彩さんは、北海道から東京の美大に入学するものの、都会に疲れ、頻繁に中国奥地を訪れるようになり、1988年カシュガルで画家、曹勇と知り合います。

周囲はまだ人民服の時代に、長髪で浮浪者のような風貌。
26歳でチベット大学の美術教師。

自由奔放ながら、チベットの古代グゲ王朝の仏教壁画の模写に執念を燃やす曽勇のひたむきさに惹かれ、彩は共にラサに向かいます。

窮屈な中国を離れたいこともあり、曹勇はすぐに彩に求婚。

一旦日本に帰国した彩は、翌年2月、北京で個展を開催する曹勇と再会。

曹勇の絵は、外国人コレクターには好評を博するものの、前衛的でエロティックな絵は、猥褻で反体制的とみなされ、二人は中国公安から追われる身となります。

彩は結婚を決意。

結婚手続きとパスポート取得のため、曹勇は単身ラサに戻ろうとしますが、運悪くチベット騒乱に遭遇。

ラサは戒厳令下、そして北京では天安門事件。

大混乱の大陸を右往左往する中、彩は避妊に失敗。
見知らぬ中国の病院での堕胎。

通行証ひとつ手に入れるのにも人脈と賄賂が必要な状況下、数ヶ月の苦労の末、ようやく広州で日本のビザを取得。

二人がようやく日本に辿り着いたのは、8ヶ月にも渡る大逃避行の末のことでした。

今の中国とは似ても似つかない、全てが封じ込められていた20年前の中国の実態を知るうえでも貴重な資料だと思いますので、お勧めします。


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