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June 02, 2008

不自由な日本社会

為替王さんが、メルマガの中で、過去の円高局面の理由に関連して、次のような指摘をされています。

『信用創造機能の停滞といってもいいと思いますが、本来、利下げをすれば、企業の借入意欲や銀行の貸出意欲が増進します。

しかし、潤沢なマネーを有する優良企業は借入ニーズが乏しく、かといって、借入ニーズの高い企業でも信用力に不安があれば銀行が資金を貸し出さない。

その結果、お金の流れが滞り、
不況→低金利→通貨供給量の増大→通貨価値下落
という本来生じるべき変化が起きなかったのが、これまでの日本経済の大きな問題であったと思います。』

日本の金融業界は、常に横並びでした。

戦後しばらくは、興銀が主導するシ団に参加することが主要銀行の重要目標であり、重厚長大産業への傾斜融資により、大規模製造業中心の復興を支援しました。

復興が軌道に乗り、地価が上昇すると不動産担保融資に集中し、土地神話とバブル崩壊を演出。

低金利時代に入ると国債を集中的に購入し、国家の放漫財政への牽制機能が働かず、現在の破綻的な財政の構築に間接的に協力しました。

現在はそうした頚木(くびき)からある程度自由になり、金融機関ごとの特色も多少感じられますが、地銀の本格的再編は進まず、経営効率は低いまま。
総体的にはまだ横並び意識と金融庁の「相場観」に隷属する状態が続いていると判断されます。

自由な判断が束縛されている金融機関の存在が、為替王さんがご指摘されているように、本来起こるべき経済現象を阻害しているとすれば、日本の再成長において、大きな障害となります。

私が見るに、日本の若い世代は不自由で、起業意識が後退しています。
大企業では、いまだに最初は滅私奉公が強要されます。

参考:http://www.atmarkit.co.jp/news/200805/28/ipa.html

高齢化で主要ポストはおじさんが独占。
30代でも部下無しはザラといった状況を見れば、就職売り手市場など、その瞬間だけだったと気が付いて幻滅することでしょう。

日本の金融業界は、大きくて安全で市場からいくらでも調達できる企業にばかり融資しようとします。

もっと自由に生きられる日本を実現するためには、金融に携わる人々が、より自由な発想で、資金を配分できる環境が求められます。

お金が自由に動く社会でなければ、人間も自由になれません。

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Comments

10年間泥のように働くですか。。若い労働力を会社という資本家に隷属するおじさんが脅して利用しようとしている風景に見えます(笑)。こういうものにだまされまいとする若手がどんどん増えて欲しいですね。

私はおじさんバンカーを何人か存じていますが、(あくまで個人の問題だと信じたいですが)総じてビジネスマンとしての能力は低く感じました。たぶんグローバルメーカーに入社すると吹っ飛ばされるような人材ばかりでした。

いまだに彼らがなんで高給なのか正直さっぱりわかりません(笑)。

Posted by: Blue | June 02, 2008 10:45 PM

銀行というところはクラサバではなく、メインフレームシステムによるワークステーションで仕事をさせられるので、エクセルさえ使えず、簿記や税制も詳しく知らない人が多いです。

それでも土地担保融資は出来てしまいます。

高給なのは、ローカルプライスの残滓でしょうね。(笑)

Posted by: akazukin | June 02, 2008 11:01 PM

数年前から拝読しています。
いつ読んでも、響く主張を推敲の上にUPされていますね。
AKAZUKINさんの無理のない範囲で書かれ続けることを楽しみにしています。

Posted by: ゼン | June 04, 2008 12:46 AM

ゼンさん、いつもありがとうございます。

相場は不安定で、正直上手く付いていけていませんが、マイペースで行きたいと思いますので、今後ともお付き合いいただければ幸いです。

Posted by: akazukin | June 04, 2008 08:30 AM

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