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August 17, 2008

結局日本人はどちらの生き方を選択したいのか

週刊「ダイヤモンド」の『「超」整理日記』で、いわゆる「円安バブル」のテーマが、また取り上げられています。

要点は、下記の通りです。

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プラザ合意後約20年間、円とドルはほぼ120円前後で名目等価。
しかし、この間日米の物価上昇率、名目金利差が概ね年3%。
従って年間3%の円高が進むのが自然で、その場合ドル円は65円であるはず。

円高であれば資源高の影響は軽微。
購買力平価による為替相場が実現しているので、日本の黒字が減り、アメリカの赤字が減る。
結果、日本からの資金還流が減ってサブプライム問題も起こらなかった。
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今後の日本が「円高」を選択すれば、輸出中心の産業構造の転換が必要なものの、インフレ影響は緩和されます。

一方「円安」路線なら、輸出産業は息を吹き返すものの、物価高により国民生活は大きく圧迫されます。

弱い通貨でいつまでも外需に振り回されるのか、産業構造の転換に汗をかき、そのかわり強い通貨で資源高を克服するのか。

円安は株価に優しいようでも、国内が空洞化すれば、消費者への恩恵は限定的です。
企業は海外の利益を海外へ再投資するので、多くの人は海外へ出稼ぎに行かなければいけません。

かつて日本人は、資源国ブラジルに25万人が移民しました。
私は以前広島の郊外で相続の手伝いをしたことがありますが、戸籍を調べていたら、多くの農家の後継ぎがハワイの住所になっていました。

当時は「こんな田舎からハワイまで」と驚きましたが、今考えてみると「こんな田舎だからハワイまで」。

有名企業に勤めていても、生活環境の厳しい新興国で働く人が増えていますが、これは現代の「出稼ぎ移民」。

円安が行き過ぎれば、企業そのものが外国人に買い叩かれるでしょうが、既に日産、オリックス、ソニー、ローム、HOYA、三井不動産、マツダなどを含め32社の一部上場企業が外国人持ち株比率50%以上。

いくら「額に汗して」頑張っても、過去の成功体験にこだわり過ぎるなら、変化への対応という意味では「ナマケモノ」。

北京五輪、「イッポン」に拘った柔道家は負け、「JUDO」に対応した石井は金メダルでした。


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