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August 10, 2008

「ダークナイト」は問いかける

話題の傑作、いや問題作「ダークナイト」を見ました。

「平和の祭典」に合わせてロシアとグルジアでは戦火。

北京では通り魔、ウイグルではテロ。
皮肉なことに五輪期間中の中国は、これまでで最も危険になっているともいえそうです。

「メメント」「プレステージ」で観客を裏切ろうとし続けた、奇才クリストファー・ノーラン監督。

前作「バットマン・ビギンズ」は、彼にしては平均点のアクション映画でした。
しかし、その凡庸さこそ、実は作品全体を今回の「伏線」として踏み台にする試みだったのですから驚きました。

善が強ければ対抗する悪も増幅する。
ただ堕落を見たいがだけの邪悪は、全ての人間の内にある。

オリンピックがあるからこそ、その注目度を利用したテロと戦争が起こる。

1月に薬物死したヒース・レジャー演じる「ジョーカー」の狂気は、バットマンの存在自身が生んだのではないか。
バットマンは悩みます。

これほどまでに悩みぬくアメリカンヒーローはこれまで存在しませんでしたが、これは現代のUSAそのもの。

グローバリゼーションは強い者がより強く、弱い者がより弱くなるだけなら、人間同士の究極の争いを引き起こすだけなのか。

20世紀の最後に生まれ、21世紀に大きく育った世界の危機は、人間の果てしない欲望とそれ自身が生み出すダーク・ナイトそのもの。

ハンス・ジマーの、あの切れ味の良い音楽が、我々に究極の課題を突きつけます。
文句なしの緊張感で、95点。


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