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September 25, 2008

リプラス、覚悟の破産?

リプラスが325億円の負債を抱え、昨日破産を申請し、受理されました。

リプラスが主力事業としていた「レントゴー事業」は、賃貸住宅の滞納家賃保証事業としてスタートし、会社HPによれば累積で50万人が利用しているとされています。

連帯保証人が見つけにくい現在、借主貸主双方からのニーズは高く、重宝されてきました。

保証料が家賃の0.5ヶ月、2年後更新時にも1万円だけという安さも利用者拡大に弾みを付けましたが、基本は保険事業です。

保証料収入に対し、想定した事故率が高くなれば赤字。
次々新規の契約が決まれば自転車操業も可能ですが、いずれ限界が来ます。

貸付債権等の貸倒れリスクを引き受ける手数料ビジネスという意味では、AIGの破綻の主因となったCDSと同じです。

AIGは大きすぎるから助けてもらえましたが、やっていることに大差はありません。

リプラスの資金繰りに疑問が生じたのは6月頃からのようです。

会社が正式に事故を認めて謝罪したのは、8月8日「家賃及び代位弁済の送金に関する業務ミスについて」というリリースです。

リプラスのHPを見ると、この日以来、次々と事業継続、というよりも「拡大」を匂わせるリリースが続きます。

「自社倉庫建設に関するお知らせ」(実際にはキャンセルされ、土地売主は別の買主に売却しました)
「入金案内業務コールセンター全国展開のお知らせ」
「会社分割による子会社新設に関する方針について」
「レントゴー事業の次世代基幹システム開発に関するお知らせ」

必死の生き残り策を模索していたのか、資金支援を得るための強気経営だったのか、覚悟のポーズだったのか。

そもそも賃貸住宅業界においては、借地借家法による借家人保護が強く、賃料を滞納しても強制退去が難しいため、大家サイドが第三者の賃料保証を求めるという背景があります。

本来は公的な保証(保険)制度があれば良いのかもしれませんが、人的な連帯保証制度が長年の慣行でした。

その非近代的体質にチャンスを嗅ぎ取った社長の姜裕文は、大変鋭いビジネス感覚の持ち主なのでしょうが、民事再生法でもなく、いきなり破産というこの幕引きには、どうも違和感があります。

破産申請の翌日の今日が株主総会。
準備周到だったのかどうか、社長の謝罪のみで5分で終了したと報道されています。

事業継続・拡大を装いつつ、破綻のシナリオだけを書いて個人資産の温存を図ったのではないかという疑いも生まれますが、一方リプラスリートへのオークツリー社資本参加に関しては、精一杯の混乱回避の努力をしたとの評価も可能だと思います。


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Comments

こんにちは。
いつも市場を見る目に感心しております。
計画倒産でしょうか?
こざらしさんの言う新興市場の大掃除。
第三次産業は儲かるけど潰れるのも早い、
特に金融関係。
私自身はしがない下請けの町工場、26年目。
この金融大混乱の中、製造業で良かったと。
大きく儲からなかったけど土地建物、
それなりの資産は出来た。
今注目しているのは、JQ7873アーク。
ずっと金型部品関連の仕事をして来た関係上、
アークの行く末を心配しています。

Posted by: 町工場 | September 26, 2008 07:12 AM

町工場さん、こんにちは。
ご愛読ありがとうございます。

アークは昔持っていました。
JQの中ではサイズも大きく、新興市場ファンドでは欠かせない銘柄だったと記憶していますが、久し振りに確認したらずいぶんと小さくなっていたので、ちょっと驚きました。

金型は日本からの技術流出で、一部では中国に追い越されつつあると認識していますが、それで正しいでしょうか?

Posted by: akazukin | September 26, 2008 10:29 PM

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