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November 16, 2008

哲学は投資の役に立つのか

哲学は人生の役に立つのか の著者である木田元氏は、「赤紙」で軍に取られて二等兵としていじめられるよりは、最初から将校でスタートしたいと思って海軍兵学校に入学。

敗戦後は闇屋で詐欺まがいの行為をして食い扶持を稼いだりと、極めて現実的な生き方をしてきた人です。

哲学を志したのも、ハイデッガーの「存在と時間」を読めば現実の苦悩から解放されて自分の道が開けるかもしれないと思ったから。

こういった人ですから、机上の「哲学」や「幸福論」には否定的で、「清貧の思想」は、ひがみ根性のようで嫌いだとバッサリです。

マージャンにも一時期夢中になったようですから、おそらく投資に向いている人でしょうが、金銭欲よりは知識欲が圧倒的に勝っているのが私とは決定的に違うところです。

序章である『幸福なんて求めない』の中で、技術も資本も人間がコントロールできないだろうと語っているのは、投資家にとって重要な予想です。

「自分が資本の動きをコントロールしていると自信をもって言える資本家や経済人がいるでしょうか。みんなが自己増殖する資本独自の動きに翻弄され、こき使われて、右往左往させられているだけのようです。
(中略)むしろ、人間のコントロールの力を過大に認めようとする近代ヨーロッパの人間中心主義、いわゆるヒューマニズムのほうに問題がありそうです」

との意見は、今回の証券化に端を発した金融危機にあてはまりそうです。

これだけ多くの人間の知恵を見て研究してきた人が、資本に対する人間のコントロール力を信じず、人類の将来に悲観的であるのは、80歳という年齢が悲観を誘っているという事実を割り引いても、重要な示唆があると私は思います。

人類は産業革命以降、資本は生活を豊かにすると考えて資本主義を広めてきたわけですが、人間に使われてきた資本が人間を使用人化する事態にもなっています。

資本自体に元々意思はないでしょうから、現代の暴力的な資本の行動は、我々人間の持つ弱さや攻撃性が、より強く資本に投影されて来ているのだろうと考えられます。


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