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January 19, 2009

続:リスクとリターンの関係が国を決める

なぜリスクを取らない方が日本ではパフォーマンスが良いのか。

野口悠紀雄先生であれば、戦前の官僚統制的国家総動員体制が温存されたから、とでもお答えになるところでしょうか。

戦後は、高度経済成長による人材不足を囲い込みで解決するために終身雇用年功序列制度が普及し、自由な労働市場は育ちませんでした。

また、バブル崩壊後は、そのダメージを若年層にしわ寄せすることで、中高年の正社員雇用を(おそらくは過剰に)保護してきました。

こうした労働環境から、出来るだけ動かない方が得になるとの意識が広まり、安心は「不動」と混同。
ドロップアウトはハイリスクでローリターンという「公式」が固まって行きます。

但し、これらはある意味で全て結果であり、原因を十分に説明できているとは言えません。

大変月並みな考察になってしまいますが、「農耕民族的DNA」を基礎とした「定住安心」構造が強化され、政策決定者の年齢が高いことがさらに保守的なバイアスを掛けてきた、ということになるでしょうか。

今発売中の日経ヴェリタスに、あるシミュレーションが載っています。

過去29年間、毎年100万円ずつ合計2900万円を投資したとすると、何を買うのが得だったのか。

多い順に並べると、

国債4633万円、金地金投資4164万円、定期預金3417万円、ドル建てMMF2759万円、株式1960万円。

リスクを取ったら見事に元本割れ。
特に株式投資は国債の半分以下という極端なローリスクハイリターンの順番になっています。

長期分散投資がリターンを生むというのは、この国の場合、単なる幻想です。

「リスクを取るのは先が見えていない馬鹿だけ」

日本の30年は(結果的に)、そうした衝撃的な社会だったのです。

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Comments

衝撃的なデータですね。
株式を軽んじる機運が生まれるのも無理ない気がしました。
減税のセコイ500万枠とか、100万枠とか。

Posted by: | January 19, 2009 11:24 PM

残念なことに、多くの日本人は、「衝撃的」と感じる感性を持っていないのかもしれません。


Posted by: akazukin | January 20, 2009 09:29 AM

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