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January 31, 2009

製造業バブルの崩壊

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30日の東京市場では代表銘柄の爆下げオンパレード。

東芝が700億円の黒字から2800億円の赤字へ修正で、-17.4%。
昨年秋以降のリバウンド分は帳消し。

任天堂S安で、-12.4%。
日本郵船が減益減配で、-15.9%。
日立は7000億円の赤字転落で、-6.7%。

ウォールストリートジャーナルアジアは、
Japan Caught in the Pop of Its Manufacturing, Export Bubble」 (製造業、輸出バブルが弾けた日本)

記事の要旨は、

日本は住宅価格の急落や銀行の多額損失といった災難からは免れたものの、欧米とは異なるバブルだった。
それは製造業バブル。
2002-07年にかけてブームとなり、円安が加わって輸出ブーム。
トヨタやソニーの円建て売り上げが急増。
この間、年間輸出高が74%、設備投資が31%増加したのに対して、家計支出は僅か6.6%の増加。
そして昨年12月の輸出はマイナス35%。

では、振り返ってどうすれば良かったのか。

そもそもアジアの貯蓄がアメリカに向かったのは、それだけアメリカの資本市場に魅力があったからです。

流動性、成長性、ドルの安定性。
やはりNO1。

独走するアメリカ金融業界は驕りたかぶり、金融工学を誤用し、自分たちの高給を当然と勘違い。

日本は内需振興が課題と言われ続けていますが、要するに内需とは金融サービスの力です。

1ヶ月前まで、日本にある世界最大の銀行から他行への振込みが出来ず、必要な場合は現金で運んでいました。

東証に上場する外国企業はピークの127社から、今はわずかに16社。
初の中国本土系企業として鳴り物入りで東証マザーズに上場したアジア・メディア社は社長の横領で上場廃止。

日本国内に魅力的な金融市場があれば、中国の豊富な外貨収入も一部日本に流入したはずです。

そうすれば、アメリカ一極集中は緩和され、日本円の流出も抑えられ、アメリカの金融バブルは軽症で済んでいました。

規制も多く、国内金融市場の成長に真剣に取り組まなかったことが、資本市場の空洞化と円安を生み、アメリカの傲慢を正当化し、結果的に日本の製造業バブルを発生させました。

「ものづくり」に専念するという態度が、金融を含めた国内の基盤整備のために知恵を絞る努力をしないことと同じ意味であるなら、それは大変な怠慢です。

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Comments

同感です。。

高い損益分岐点に立ち向かうことなくsalesの伸張で誤魔化していた多くの日本メーカーがsalesのダウンで一瞬にてその愚かさを露呈たというのも別の側面から真実のように思います。減収に比して「あまりにも」減益すぎます。salesが10%そこら落ち込んでいきなり赤字ってビジネスモデルとしてそもそも不成立ですね。

Posted by: Blue | February 01, 2009 01:23 AM

そうですね。
住宅が上がり続けると考えたアメリカ人も大馬鹿者ですが、こんな景気と円安が持続すると考えて設備投資した日本企業も頭がからっぽでした。
日本の経営者はオーナーでないので、増収増益のシナリオばかり考えていて、景気の波を読んで生き残るという基本が疎かになっています。

Posted by: akazukin | February 01, 2009 07:19 AM

製造業は、環境対策やゴミ対策などもやらなくてはいけません。
研究開発費もそうです。
サービス業と違って、基本的にコストが非常にかかるのです。

それと今回は、不良資産も表に出して処理してるとこもあります。
2~3年は損切りのための処理を
行うかもしれません。

あんまりいじめ過ぎると、日本見捨てて逃げて行ってしまうかもしれませんね。

欧米勢力は、日本の製造業の製造能力を、知的所有権ごと手に入れたがってますしね。

下の世代になれば、製造業の人達も日本にこだわる事無くなってくる可能性もあります。

結果日本人は、餓える事になるかもしれませんが、どうにもならないでしょうね。
今の政治のままだと。

Posted by: デフ | February 01, 2009 07:09 PM

ほんと、その通りですね。
日本人にとってこれまでの成功体験から「ものづくりを追求すること」が日本のあるべき姿と考えられてきたと思います。私はエンジニアなのですが、大学教育の中でも「ものづくりへの崇高な理想」がすり込まれたように記憶しています。
だから脇目もふれず、微妙な潮目の変化にも感じず、設備投資をしてしまう。それが「ものづくり」の上では理想的であるから。エルピーダや東芝など、その典型でしょう。
同じような理由で道路もネットワークができるまで造り続けてしまうのでしょう。

Posted by: anemone fish | February 01, 2009 09:51 PM

日本のモノ作りは、疑いなく世界一流レベルですし、全体として国内サービス業よりも生産性が高く、成功しているのですから、大いに尊重すべき日本の「資源」だと思います。
しかしながら、世界が日本を追いかけてくる今、ただ作っていれば良いという訳もありません。
いつ、どれだけ、どのように作るのか。
それをきちんとマネジメントすることが重要で、それが作る人に対する「敬意」というものではないかと思います。
金融と製造業のバランスが重要だと考えますが、それを言う人は少ないように思います。

Posted by: akazukin | February 01, 2009 10:38 PM

本当にそうなのでしょうか?

私は日本の「ものづくり」の理念は尊敬に値すると思っています。
何十年と利益や雇用、外貨を稼いで最高益を更新して来ても、ほんの数年減収だ!赤字だ!となると今までのすべてが間違いであるかのように責めるのはいかがなものか…。
金融立国も良いですがアイスランドの今をみたら首を傾げてしまいます。

百年に一度の金融危機であっても、2007年の夏から世界の人口が急に減ったわけでもなく、新興国では低くなったとは言え成長は続いているわけで、危機だからといってみんなが衣類もまとわず、最低限の食事をして生活をするわけもなく、浪費は無くなっても消費はけして無くなりはしないはずです!

良い物を作りそれを消費者へ届ける。その努力をすることが怠慢であるとは自分には思えませんでした…。

Posted by: そら | February 02, 2009 10:21 PM

コメントへの回答も含めて、もう一度良く読んでいただければわかると思いますが、「ものづくり」する人の努力について批判しているわけではありません。
むしろその価値を活かし、サポートしなければならない金融と政治の貧困さが問題であると言う主旨で書いているつもりです。
誤解を招いたとしたら、申し訳ありません。
今後とも宜しくお願いいたします。


Posted by: akazukin | February 02, 2009 11:03 PM

大変申し訳ございませんでしたm(__)m
自分の語学力のなさでご迷惑をおかけしました。

いつも勉強させていただいてます。
ブログの更新大変でしょうが楽しみにしております。

Posted by: そら | February 04, 2009 04:14 AM

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