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March 12, 2009

E=mc²

ファイナンシャルタイムズの6日付記事「Summers calls for boost to demand」に、サマーズの発言があります。

「Lawrence Summers said the urgent need for a short-term increase in spending by governments temporarily overrode the longer-term goal of tackling the global imbalances many economists believe caused the financial crisis.」

直訳すると、
「政府支出を短期的には増加するという緊急の必要性は、多くのエコノミストが金融危機の原因だと信じているグローバルインバランスの是正に取り組むという長期的課題よりも今は優先するのだ」

「患者は痛がっているのだから、後のことは考えず、今はありったけのモルヒネを打ちまくれ」といった処方に似ているでしょうか。

アインシュタインの特殊相対性理論で、一般的にも有名なのが、E=mc²(エネルギーは質量と「光速の二乗」の積)の関係式。

景気もこの公式に似ていて、質量(マネーサプライ)とマネーの流通スピードに比例すると思います。
二乗かどうかはともかく、量よりも速度が重要なのも実感と合致します。

現在は、信用供与が停滞し、マネーの流通「速度」が極端に落ちているため、それを補うために懸命に「量」を増やそうとしている状態です。

元々過剰流動性が引き起こした悲劇を是正するのに、流動性を供給する政策が正当化されるのは、速度が落ちている以上、「E」を維持するためには量でカヴァーするしかないからです。

量的緩和が成功して少しずつマネーの速度が回復すると、今度は供給し過ぎた量を減らすために、適切な利上げなどが必要ですが、引き締め政策はどうしても遅れがちになります。

かつてのマエストロも、今は言い訳ばかり。

サマーズの言葉が世界を動かすなら、いずれまた過剰な流動性が残り、ファンダメンタルの痛んでいない投資商品に向かうことになるはずです。

人間はなかなか忠告に耳を貸そうとしない動物ですから、再び「悲鳴」を「歓声」と(意図的に?)聞き違えるかもしれません。

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Comments

住宅指数と雇用指数はマダマダという感じですが、消費や金融機関の営業利益は薄い光がわずかに照らし始めたように思いますがいかがお感じでしょうか。

「The Commerce Department said retail sales fell by 0.1 percent in February -- less than the 0.5 percent drop economists predicted, but the seventh decline in eight months」quoted from "
http://finance.yahoo.com/news/Stocks-slip-after-economic-apf-14616390.html"

日本も同様ですが、いわゆるばら撒きが「結果」である消費を始発として、資産や雇用(生産)に波及する流れができつつあるようにも感じます。いかがでしょうか?

Posted by: Blue | March 12, 2009 11:16 PM

アメリカの消費堅調は、ガソリン安が効いていると思います。
銀行の体力が戻って個人ローンが増えるようになれば、高額商品も回復していく可能性がありそうです。
リスク要因は原油相場とGMの動向だと思います。

日本は自立性が弱く、流されるだけなので、相変わらず行列の最後を歩くような動きだと予想します。

Posted by: akazukin | March 13, 2009 07:05 AM

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