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March 23, 2009

死ぬ時に金持ちでも寂しい

日本は世界で最も長寿の国を実現しました。

1950年代には主要先進国中、最低だった日本の平均寿命が、1970年代~80年代にはトップ。
参考:http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/1610.html

高度経済成長を背景とした、極めて社会主義的な健康保険制度が、「長生き」という目標実現のために有効に機能したことがわかりますが、今ではサラリーマン健保が次々と解散に向かっているという現実もあります。

最大の原因は高齢者医療費の負担に耐えられないことですが、高齢者は後期高齢者医療制度による1割負担でも不満を言い、その一方では貧困で勉強を続けられない、病院へも行けないという学生や子供たちが増えています。

長寿世界一の現状は、高齢者層のために資金が集中的に投資された一方、若年層への投資が不足したことの結果だとも読めると思います。

従って、高齢者層に貯め込まれた資金を若年層に循環させることが出来るかどうかは、世代間の公平感も含めて、今後の日本経済にとって極めて重要です。

550万円まで非課税になる「住宅取得資金贈与の特例」などは、その意味では大変戦略的であり、珍しく哲学のある税制だと思います。
伊藤元重東大教授も、「年限を区切って贈与税の免除を認めるべきだ」と提案しています。

民間企業では、こうした世代間の所得移転を促すような商品開発は取り組みにくいかもしれませんが、単なる二世代住宅ではなく、「味噌汁の冷めない距離」で親子二世代が住む形の提案などは出来るかもしれません。

個人的には将来、同じマンション内で"老夫婦"と娘が違う部屋に住むといった選択肢はありそうに思っています。

犯罪分野では、「振り込め詐欺」が、この潜在的マーケットを上手く狙った商品開発を行っており、だからこそ大ヒット(?)となっています。

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Comments

こんばんは。

私は鬱病で障害者自立支援制度を利用しており、月額3000円以上は払わなくてもよいのですが、ありがたさを感じる一方で、なぜ私のようなオッサンがこれほどまでに保護されるのか、不思議です。
また、精神障害者手帳についているパスのおかげで、市営バスはタダで乗り降りできます。
一方で小中学生は100円を払って乗ります。
罪悪感。
税の再配分に、疑問と歪みを感じずにはいられません。

私の興味はもっぱら「死ぬまでの残り数十年間、暇つぶしのための資金をいかにして工面するか」です。

Posted by: ちよりそ | March 23, 2009 10:31 PM

私も大した仕事はしていないのに、結構な収入をもらっています。
資本が蓄積して来ると、過去の貯金が利益を生むので、案外と社会全体ではオコボレがあるのです。
後は本格的に国が衰退する前に、自分が逃げ切れるかどうかだけ。
どうせ人生はエゴなので、誰かに何かを残せるエゴの方が少しはましか、というだけのことでしょう。

Posted by: akazukin | March 24, 2009 09:33 PM

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