日本化するアメリカ
AIGの高額賞与問題は、15日のメディア報道からわずか4日後の19日に下院で課税法案が可決。
一定の溜飲が下がりましたが、20日のNYマーケットでは、こうした規制の広がりが嫌気されているようです。
日本でも公的資金が投入されたメガバンクには強い監視の目が注がれました。
三井住友銀行や三菱UFJフィナンシャル・グループが役員賞与を復活したのは昨年。
実に12年間役員賞与は凍結されました。
また、損失金の繰越、という当たり前の制度による結果にもかかわらず、「巨額の利益を出しながら税金を払っていない」と批判されもしました。
今回の税率90%の賞与課税法案は、かつての日本の"懲罰的"土地税制に良く似ています。
日本では、昭和62年から平成8年まで、法人の超短期(2年以下)の土地譲渡益に関して、30%の税金が加算。
いわゆる土地転がしの利益は、一般の法人税等も含めると90%が税金で持っていかれるようになっていました。
自由な契約とプライバシーを重視するアメリカでも、経済が縮小すれば、日本と同じように「嫉妬」が全てに優先し、感情的な法律が生まれるのです。
火事の際の原則は、まず火消し、その後に犯人探しですから、その意味で、今は危機対応も後半戦に入ったと言えると思われます。
但し、アメリカが日本化するということは、株価は上がらないということなので、投資チャンスは著しく限定的になります。
今回の法案は、国民感情に敏感すぎる政府の規制が市場を萎縮させるという意味ではマイナスですが、良くも悪くも国民と政治の距離が近いことを示しています。
何はともあれ、このスピード感には驚きました。
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