分断の国になったタイ
タイは2006年9月の軍事クーデター以来、「微笑みの国」から「分断された国」に変質してしまいました。
分断をもたらしたのは都市部と農村の格差ですが、それをあまりに政治的に利用し過ぎたタクシン元首相の罪も大きいように思われます。
タイはリゾートを含めると、かれこれ10回くらい行っていますが、一番最初は1987年。
その頃の知識層は、政治も経済も軍が実権を握っていると大いに不満を語っていましたが、とにもかくにも一定の秩序は感じられました。
今回のデモ隊は、ホテルのガラスは打ち破る、首相の乗った車に棍棒で襲いかかるなど、完全に暴徒の群れ。
どうせ実力行使は出来ないだろうとタカをくくった態度は、大いにタイのレピュテーションを傷つけました。
せっかく空港占拠のダメージから立ち直りつつあった観光産業にもマイナス。
国民の統合の象徴だった現国王も、81歳と高齢。
あまりの弱腰で世界中に恥を晒したアビシット首相は、今日になってようやく軍の力を借りて治安回復に乗り出しましたが、当分タイでの首脳会議は無理。
20年前のように事実上の軍政に戻っていくとしたら、好きな国であるだけに、大変残念です。
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Comments
タクシンは、中国系だったと聞いてます。
タイ人純血種と華僑系の対立も背景としてあると思います。
日本も多民族国家になれば、在日問題だけじゃなく、日常的に争い抱える事になるでしょう。
Posted by: デフ | April 13, 2009 11:30 PM
Hello, Everything dynamic and very positively! :) Thank you Zoran
Posted by: Zoran | April 15, 2009 07:42 PM
GW明けに、初めてタイに行く予定なので、このエントリを読んで心配になりました。
でも、政治的背景にも少し興味が湧くようになったのでよかったかなとも思ってます。
Posted by: ゼン@観光客 | April 15, 2009 10:53 PM
ゼン@観光客さん、こんにちは。
タイの多くの国民、特に観光関係者は、こうした暴力的な対立に心を痛めているはずです。
私は北部チェンライからプーケットまで周りましたが、タイも多様です。
是非楽しんできてください。
Posted by: akazukin | April 16, 2009 08:25 AM