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May 02, 2009

今さら銀行と証券の融合を許すのか

三井住友銀行(SMBC)内部では、肉食系のSが草食系のMを次第に食い尽くそうとしていると聞こえて来ます。

今回の日興買収劇が肉食的に感じられるのも、こうした企業カルチャーの変化を反映しているのかもしれません。

金融危機の主因は、アメリカにおける金融規制の失敗という側面があることに、今や誰も疑いを挟みません。

証券会社を投資銀行と言い換え、80年台以降の規制緩和の中でグラス・スティーガル法の銀証分離規定も骨抜きにされ、バンク・オブ・アメリカやJPモルガンが証券子会社を設立することにより証券業務に進出。

さらにはヘッジファンドのプライムブローカー業務により、商業銀行がハイレバ証券投資業務のスポンサーでもありました。

銀行と証券の垣根が事実上取り払われたことが、過剰な信用供与とリスクテイキングへの牽制を弱め、金融膨張相場を作り出しました。

日本の銀行は、サブプライムローン関連の証券化商品へのイクスポージャーが少ないからダメージは限定的と言われていましたが、株式を大量に保有しているために当初の予想よりも大きく傷つきました。

今回SMBCは、8000億円もの増資で既存の資本を大きく毀損させてまで、日興シティGの買収を断行。
一気に大和証券への支配力も握ろうかという勢いです。

この局面で、アメリカが失敗した銀行と証券の一体化が本当に望ましいのか。
証券業界の再編は不可避としても、それをメガバンク主導でやることが正しいのか。

金融行政当局からの意見は聞かれません。

大和と日興を統合させ、SMBCが大和日興證券を所有するという図式は、SMBCとの取引がある企業への営業力としては強力なものになるでしょうが、逆にいうと集中が過ぎて危険な香りもします。

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