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June 16, 2009

格差は民主主義を機能させない

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イランの大統領選挙は「信じられない大差」となり、改革派の抗議行動が激化して7人が死亡。
「護憲評議会」は票の再集計を提案しましたが、ムサビ側は拒否しています。

写真を見ると、集まっている人の数が半端ではなく、国が二分したとさえ言えます。

民主主義は、ある程度国民のレベルが揃っていないと上手く機能しませんし、そもそも公正な選挙の実施さえ保証されません。

教育のない貧困層は豊かになる手段を持たないため、手っ取り早い分配を求めるのみ。
富を独占した権力者がバラマキ人気で国を統治してしまいます。

イランの現職アフマディは国内産業を育てられず、ガソリンさえ一部輸入。
インフレで苦しむ地方貧困層への「支援」を続けました。
大統領に手紙を出したらお金が送られてきた、という「見え見え」の選挙対策が驚くほどの効果をあげます。

タイのタクシン、ヴェネズエラのチャべスも基本はバラマキ戦略。

日本も2年前の参院選では、地方票が「個別所得補償制度」を見て大量に民主党に流れました。

露骨な選挙対策が有効なのは日本でも同じです。

日本で貧富の格差が広がったのは、正社員が保護され過ぎているのも一因ですが、「知の格差」が広がったことも見逃せません。

1995年以降の凄まじい情報量の増加、知のオープン化現象の真っ只中で、ゆとり教育が本格化。
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教育にケチな日本の予算。
とりわけ日本の高等教育は家庭の負担が非常に大きい(OECD平均27%、日本66%)ため、貧富の差が知の格差へと直結します。

このまま教育機会の不平等を放置するなら、イランの現状は日本の未来。

人材育成よりも道路建設を優先して滅びた、歴史上最初の国となるでしょう。

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