格差は民主主義を機能させない
民主主義は、ある程度国民のレベルが揃っていないと上手く機能しませんし、そもそも公正な選挙の実施さえ保証されません。
教育のない貧困層は豊かになる手段を持たないため、手っ取り早い分配を求めるのみ。
富を独占した権力者がバラマキ人気で国を統治してしまいます。
イランの現職アフマディは国内産業を育てられず、ガソリンさえ一部輸入。
インフレで苦しむ地方貧困層への「支援」を続けました。
大統領に手紙を出したらお金が送られてきた、という「見え見え」の選挙対策が驚くほどの効果をあげます。
タイのタクシン、ヴェネズエラのチャべスも基本はバラマキ戦略。
日本も2年前の参院選では、地方票が「個別所得補償制度」を見て大量に民主党に流れました。
露骨な選挙対策が有効なのは日本でも同じです。
日本で貧富の格差が広がったのは、正社員が保護され過ぎているのも一因ですが、「知の格差」が広がったことも見逃せません。
1995年以降の凄まじい情報量の増加、知のオープン化現象の真っ只中で、ゆとり教育が本格化。
教育にケチな日本の予算。
とりわけ日本の高等教育は家庭の負担が非常に大きい(OECD平均27%、日本66%)ため、貧富の差が知の格差へと直結します。
このまま教育機会の不平等を放置するなら、イランの現状は日本の未来。
人材育成よりも道路建設を優先して滅びた、歴史上最初の国となるでしょう。
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