ロシアとは手をつなぎたい
ロシアは伊藤忠商事、双日など大手商社と提携して年間で最大150万トンの小麦を輸出する計画、と 日経が報じています。
エネルギーや穀物を売らなければならないロシアと買わなければならない日本は利害が共通します。
今後ますます帝国化する中国に対して東アジアの均衡をどう維持するか、という課題に関して、韓国・台湾と歴史認識の問題がある日本は、ロシアとの関係が重要です。
・中国はロシア人が減っていくシベリア地方(特にバイカル湖の水資源)を狙っています。
・北朝鮮の資源を独占するため、金正日と後継政権を支援し続けます。
・上海万博後の目玉イベントは台湾の同化政策です。
・ASEAN諸国はアメリカよりも中国を歓迎する一方で、中国一辺倒になるのは嫌でしょう。
今後起こり得る緊迫した事態への牽制として、日露が戦略的に協調できるかどうかは、ある意味で日本の将来ポジションを決定付けます。
最近、北朝鮮に対する中国の支配力が低下したことで、ロシアの姿勢に変化が見られます。
これまで北朝鮮問題では基本的に中国追随だったロシアですが、経済制裁にも理解を示すようになり、対北朝鮮政策においても日露の壁は低くなっています。
そもそも50年前、北朝鮮の核実験を支援したのは旧ソ連であったため、ロシアは今でも北朝鮮内に独自ルートを持っていると言われていますから、ロシアと協調することは対北政策でも大変有利になります。
ロシアは今、両国の国民感情に注意しつつ、少しずつですが秋波を送ってきているところです。
大局的に見て、日露関係の改善を進めることは、ローリスクハイリターンと判断できます。
「北方領土四島返還」という情緒的な主張にこだわって、このチャンスを活かせないようであれば、我々のこども世代は1500年前と同様、中国の属国としての立場に甘んじるようになってしまいかねないと認識すべきだと思います。
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