骨抜きの方針
骨太の方針09(pdf)を開くとまず、
・産業構造、雇用構造を大きく転換
とあるわけですが、これは半分本気で印刷ミスかと思いました。
社会保障費の歳出抑制方針を撤回したことに関しては、
・「短期は大胆、中期は責任」との観点から、財政健全化を推進
と、ほとんど詐欺のように言い換えています。
職務に忠実というのは、こういう仕事を当然のようにこなす人たちへの誉め言葉です。
「痛みを嫌う既得権者につぶされた」との言い訳がましい声もありますが、個々の問題に関して言えば、必ず既得権者よりも、その反対者の数の方が多いはずです。
それでもなぜ既得権者の意見が通るのか。
人間は動物ですから、その判断は生存本能と損得勘定で決まります。
人に親切にするのも、将来に向けて投資するのも、子供を産むのも産まないのも、他人の評判も含めて、それが得だと考えるからです。
他人の既得権を批判すれば、自分の既得権も批判されます。
それぞれが小さな既得権を手放したくないと考えれば、他人の既得権を批判しない行動をとります。
自分の既得権を手放すという痛みの割に得るものが少ないと考えるのなら、相手の既得権を取り壊すというコストに対しても自分が得るものが少ないという理屈になり、互いの批判が抑え込まれます。
結局のところ、日本の行く手には、衰退か破たんか、どちらしかありません。
いかに上手にゆっくりと衰退するか、が真のテーマだということは皆とっくに理解しているので、その結果が、「多くの中国株に、ほんの少しの日本株」となっています。
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Comments
先日、仕事で中国の方とお会いしました。
現地ではスーパーエリートなはずなのに、とても気さくで日本語もぺらぺらです。おそらく英語もそうでしょう。
もっと驚いたことは、とてもとてもアグレッシブなのです。前を向いて高い将来目標を掲げて歩んでいこうというパッションがマブシイほどに伝わってきます。
「rising countryとfalling countryの違いだなぁ・・」とボソッと私が同僚にささやくと同僚は苦笑いしていました(笑)。めったに自己嫌悪などしない私もさすがにあのシーンにはやられました。
何年も売っていないそして売る気もない中国株を抱いて、アジアとともに生きていこうと思いました。
Posted by: Blue | June 24, 2009 10:20 PM
かつては日本人も全員肉食系でギラギラしていましたが、主役は交代します。
油ぎった隣国とどう付き合うかを、国家として決めないといけません。
個人としては株と人民元(ないしはHKD)を買っておけばいいので簡単です。
今日本は、他の先進国が20年後くらいに直面する国内問題にぶち当たっていますので、ある程度社会が混乱するのも仕方がないこととも言えそうですが、そのために外交がおろそかになるとしたら将来に禍根を残すことになりそうです。
Posted by: akazukin | June 25, 2009 08:40 AM