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June 04, 2009

こうしてスリランカも中国の手に落ちた

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先月19日、スリランカのラジャパクサ大統領は、少数派タミル人の反政府武装組織「タミル・イーラム解放のトラ」(LTTE)との内戦に勝利したと宣言。

四半世紀にもおよび、世界一長い内戦とも称された民族紛争は、和解ではなく、多数派シンハリ人の力による制圧で終結しました。

少数派であるタミル人は元々の定住者に加え、イギリスがお茶(セイロンティー)栽培の労働力としてインドから連れてきたことで増加しました。

アフリカで引いた直線の国境線、植民地での強制的移住。
紛争の火種の多くは旧宗主国にあります。

南部にタミル人を多く抱えるインド。
ラジブ・ガンディー首相(1944-1991)はこの内戦に積極的に介入。
一時はインド軍をスリランカに進駐させましたが、それが災いし、LTTEの自爆テロで暗殺されました。

この痛ましい事件以後、インドのスリランカへのコミットは消極的になってしまいます。

その間隙を突いたのが中国で、アフリカでしたのと同じように、得意の金、モノ、人の大量供給作戦。
無償資金供与で港湾施設や高速道路建設などに協力し、低廉な中国製品を輸出。
首都コロンボでは中国製自転車が走り回っています。

「日はまた沈む&昇る」で著名なビル・エモット氏(エコノミスト元編集長)は、
「四半世紀にわたる内戦を終結させたスリランカ政府軍の勝利は、中国が供与した戦闘機を中心とする武器によって側面支援されたもので、中国はこの間、スリランカ南部で新港湾を建設しつつある」と指摘しています。

いつもながらの人権おかまいなし外交で、中国はインドのお膝元に楔を打ち込みました。

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