欧州の住宅価格は「超まだら模様」
FinancialTimesの「European house prices」という記事を読むと、同じ欧州でもこれほど住宅価格の推移が違うのかと驚かせられます。
右のCPI調整後のグラフを見ると、ドイツは1996年以降、一貫して下がり続けています。
これでよく国民が納得しているものだと思います。
日本と同様に輸出主導経済であるドイツの姿は、今後不動産価格が全体としては上がらないであろう日本にとって大いに参考になりそうです。
一方イギリス(UK)は異常なカーブで、1996年比で2.5倍以上になり、現在も2倍と高止まり。
スペイン、フランスもほぼ同じレベルまで上昇しています。
左のグラフは住宅取得価格の年収比ですが、アメリカがピークの9倍から7倍へと調整。
もう一息下がれば感覚的にも底打ちしそうです。
欧州全体では、10倍から9倍水準へと調整は遅れています。
ここでも酷いのがUK。
ピークが15倍で今は12倍。(右のスケールです)
日本人は自分が生きている間にローンを返済しようとするので、年収の5倍が適正と言われています。
UKの水準は、自分が生きている間に返済しようなどとは全く考えていないとしか思えません。
こうした状況下、先日イングランド銀行は量的金融緩和を拡大し、さらに8兆円の資金供給を決定しました。
累計では約28兆円と英国GDPの12%ですから、日本でなら60兆円にも相当します。
住宅が年収の12倍水準での、さらなる超金融緩和政策。
この国の金融・不動産が、このまま安全にランディング出来るとは思えません。
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