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August 01, 2009

中国は低成長時代に入って行くのか

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昨晩、ドル円は一気に1円以上下落。

4-6月期の米GDP速報値は前期比年率1.0%減。
1-3期の-5.5%からは大きく改善したものの、個人消費が+1.4%から1.2%減とマイナスに落ち込んだことが嫌気されたようです。

アメリカ人が楽に借金できない以上は貯蓄率が上がるのは必然で、だとすれば消費が伸びないのも当然です。

言うまでもなく、アメリカの過剰消費の最大の受益者は中国だったのですから、今度は最大の被害者になります。

ピーク時、アメリカの対中赤字は年間で23兆円規模。
中国のGDP400兆円の、およそ6%にもなっていました。

中国は社会保障制度が未成熟のため、貯蓄に励みます。
しかし、金利が低く、インフレ期待が強いので、目減りする預貯金を避けて投資に回る。

こうした過剰生産、過少消費によるギャップを埋めたのがアメリカの消費でしたが、現在の対中赤字は2~3割減少しています。

これを内需の伸びでカヴァーして年間8%成長を達成するのが中国共産党のコミットメントですが、その多くを積極的な財政支出と金融緩和に依存しています。

銀行の新規融資は、不動産と株式に過度に集中している嫌いがあり、これらが不良債権になれば消費を押し下げます。

2008年のIMFの数値によれば、アメリカと中国の消費規模は、ざっと100:15。
アメリカの落ち込みを埋めるには、その7倍中国の国内消費が伸びる必要があり、さすがに非現実的です。

最近の株式市場は、過度の悲観の是正をバネに上昇していますが、そこには同時に根拠のない楽観も含まれており、消費の実態はどこの国も脆弱です。

日本は長い長いデフレから抜け出せず、ユーロ圏の失業率は9.4%と10年ぶりの高水準。
世界中が財政で消費を支えていますが、需要の先食いに過ぎないという批判もあります。

期待感が剥げ落ちて経済の実態を冷静に見ようというムードになれば、今後さらに数年に渡る調整期間が訪れても不思議ではありません。

そもそも株式投資は楽観の産物ですが、片足は棺桶に入れておきます。

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