内需国家は永遠の夢
今週は円高が進行し、ドル円は90円台を割り込みました。
円高への方向性は、今世界中が行っている「通貨の価値を貶めることで経済に活を入れる」政策とは一線を画す考え方であり、正論と言えます。
為替介入で、さらにドルを保有しても無駄だという考えも正論です。
しかし、一人だけ正論を語ると苦しむのが人間社会の常です。
円高を享受できる内需型経済を成功させるには、国内に「海外からの引き合いが強い」分野を持つことが必要です。
民主党は、自民党が行った公共事業による「間接的な」景気刺激ではなく、家計への「直接の支援」を増やすことで内需を活発にできると考えているようです。
また、年金改革による将来不安解消、住宅リフォームへの支援などが今のところ政策として見えていますが、これだけで内需国家への転進が可能と考えるのなら楽観過ぎます。
日本のように資源国でもなく、高齢化が進んで需要が衰えていく社会で内需主導型経済を作るのは非常に困難です。
8月のCPIは-2.4%と過去最大となり、デフレが深刻化しているのは、明らかに国内の需要不足。
余った供給能力は外需に期待するしかないのが実状です。
内需型の一つのモデルとして米英のような金融立国の道がありますが、金融担当大臣が率先してモラトリアムをやろうとする国に、海外の金融機関が喜んで来るわけがありません。
外需に振り回されない内需主導型の経済とは、ある意味で全ての国の憧れですが、1986年の前川レポート以来の日本経済を振り返ると、それはこの国に取っても、永遠の「無いものねだり」なのかもしれません。
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