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September 02, 2009

デフレは本当に悪いことなのか

デフレは成長の障害ですから、世界の通貨当局は何とかデフレスパイラルを回避しようと「じゃぶじゃぶ」政策で努力しています。

しかしながら、デフレは通貨の力が強くなるので、貯蓄している人には有利です。

極端な比較例として、ハイパーインフレと大不況を比べた場合、通貨の信用が残っている分、不況の方が「ずっとましだ」と主張する経済学者もいます。

インフレを喜ぶのは借金のある人ですから、通常は政府と企業です。
家計は基本的にレバレッジを効かさないので、通常は貸し手です。

インフレになると、貸し手から借り手へ価値が移動するので、言ってみれば「貸した者が馬鹿を見る」結果です。

キリギリスがアリから収奪することになるインフレが、モラル的な観点から、本当に社会にとって歓迎すべきことと言えるのか、という疑問は残ります。

「馬鹿を見る貸し手」もインフレをさほど嫌がっているように見えないのは、貸し手になるような人は他にも資産を所有しており、そちらの価値が高くなるので腹が立たないからでしょうか。
あるいは名目上の債権額が減るわけではないので、給与などの収入が上がることで満足しているのでしょうか。

デフレが本格的に進行した場合に困るのは、いくら金利を下げてもマイナス金利は困難なので、デフレ対策には自ずと限界があるという点かと思われます。

物価が下がるのに金利はゼロまでしか下がらない。
結果的に実質金利が高止まりするために通貨は高くなって輸出は伸びず、企業は金利負担で押し潰され、給与はカット。

そんな地獄のような世界になるなら、確かにインフレの方がましです。

結局のところ我々の目指すところは「軽いインフレ~軽いデフレ」というレンジの中にしかなく、だとすれば金利調整が可能な「軽いインフレ」の方が望ましいという結論にならざるを得ないのかもしれません。

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