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October 18, 2009

手に職をつけても昔には戻れない

若年層の雇用機会の喪失は深刻になっていますが、日本の対応は懐古趣味が基本になっているように見えます。

政府の職業訓練の場で、いまだに印刷技術が教えられているのを見ると、眩暈がします。

訓練用に印刷機を買ってしまったからでしょうが、CGの基礎でも教えたほうがまだましでしょう。

訓練中は失業保険が継続するなどの一時的な恩典に引かれ、未来が無い技術を身につける生徒も不幸です。


企業再生支援機構には1兆6千億円近い予算が付いています。

競争に敗れた企業を立て直すことに意味が無いとは言いませんが、ゾンビ企業が税金を払ってくれるところまで復活するのは至難の業です。

努力して税金を払っている企業には冷たく、退場宣告された企業を一生懸命税金で支える。
この方針だと税収は減っていきます。

平成21年度予算では、税収が46兆円で歳出合計が88兆円と、不足が42兆円。

22年度概算要求ベースでは、税収が40兆円の見込みに対して歳出が95兆円と、不足額が55兆円。

消費税アップの前に、特別会計や財投に切り込むことは当然ですが、国有財産を全てリストアップして公開し、買い手がいる物は即座に入札を行うくらいのスピード感が必要です。

借金王が都心に贅沢な土地を持っていることなど、民間では絶対に許されません。

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Comments

職安に行くと、未だにボール旋盤や溶接を教える職業訓練が存在しています。その訓練に直結した仕事が永続的にあるかどうかは誰も考えません。

その点では大学も同じ。
需要激減の建設工学や受給バランスの崩れた歯学部の定員は変わらず、医学部は高齢化で需要増にもかかわらず、微増程度。明らかにミスマッチを生み出す原因になっています。

需要の少ない分野へのミスリードは、就職難や失業のリスクが増やし、過当競争を引き起こしています。大学には多くの税金が投入されてますから、崇高な「学問」とお高くとまらず、社会の公器として人材の「需給バランス」にも目を向けてほしいところです。

Posted by: anemonefish | October 18, 2009 01:03 AM

すぐに新興国に追いつかれそうな技術を身につけても仕方がないですね。
これなら雇う、という人間を作るミクロの視線と、日本は何でメシを食っていくのか、というマクロの視線の両方が噛み合う事が必要な気がします。
それでも失業率は高止まりするでしょうが、無策でいれば酷いことになりそうです。

Posted by: akazukin | October 18, 2009 07:20 AM

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