いつドル高に転じるかは中国が決める
日本の株式市場はあまり反応しませんでしたが、この2日間で為替は円安に振れました。
日本の個人為替トレーダーは、円高で逆張りが基本姿勢。
くりっく365の建て玉を見ると、7月末比で、ドル、豪ドル、ユーロロングが5割増し、ポンドロングは2倍になっています。
ドルが緩やかに安くなるのは、アメリカがそれを許容しているからに他なりません。
他国も、アメリカの支援のために一定の負担を引き受けています。
今は強いドルを一時あきらめる時だと言う合意があるので、敢えて円高がどうのこうのと言わなくても、ドル安になる流れがあります。
但し中国は大量のドル保有をしているので、それを脅しにして昨年夏以降、一切元高には応じていません。
アメリカ経済がある程度立ち直ってくれば、各国も自国の通貨高の方が気になってきます。
アメリカの09年度財政赤字は129兆円と過去最大(前年度の3倍)ですが、いつまでもドル安ではファイナンスが出来ません。
どこかでドル価格の維持に転換する必要があります。
これを日本から見れば、短期で円高、長期で円安になります。
ドル高に転じた時、人民元がさらに高くなってくれれば、アメリカにとってはドル高の負の効果が緩和されます。
昨日、ほんのわずかですが、元ドルチャートは今まで壁になっていた0.1465を越えました。
ニュースでは、米為替報告が人民元操作の認定を見送ったからだとされています。
G2の暗黙の合意としては、元が対ドルレートを維持している間に中国は金購入などでドル安ヘッジ策を手当てし、その後中国が内需喚起していく過程で緩やかな元高を容認していく、ということになっているでしょう。
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