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October 04, 2009

マネーは静かに日本を去っていく

民主党は官僚の天下りを禁止し、さらには予算編成のあり方を大きく変えようとしています。

公共事業に大きく依存し、その配分の過程で必ず官僚の手を経由するという悪習を見直すのは当然です。

但し、これは短期的にはゼロサムであり、必要以上に恵まれていた公務員や建設業界の消費が減り、比較的低所得層の消費が増えるだけです。

アメリカやドイツでは人気殺到のエコカー支援も日本では予算消化率たったの5%

笛吹けど国民は踊らず。

民主党政権で所得は低所得者に移転するので、さらに低価格商品のみが売れるようになってデフレは進むかもしれません。
公務員が節約すれば、一番冷え込むのが低賃金で苦しむタクシー業界です。

民主党は家計支援に熱心ですが、所詮「家計は人を雇用しません」。

円高と環境規制、重い法人税は企業負担を高め、雇用を減らし、国内は空洞化します。

このように、現在の民主党的感覚では日本が抱える大きな需給ギャップが容易に解決しないことが明白である以上、期待されるのは海外からの投資ですが、投資マネーは結果が出ない日本投資を本格的に敬遠し始めている兆候があります。

シンガポールのSWFであるGIC。

2008年には、恵比寿のウエスティンホテルやJ-REITの日本プライムリアリティを大量購入したりしましたが、この3月決算で大きな赤字を計上。

FTの「GIC looks to Asia and emerging markets(GICの眼はアジアの新興国に向いている)」によれば、

GICは昨年度まで、アメリカへの投資が38%、日本を除くアジアが13%であったが、今後はアジアの新興国に集中して投資したいという趣旨の発言が掲載されています。

Photo
GICは2002年に汐留シティセンターの逆張り投資で成功したこともあり、安定した収益を生む対日不動産投資に前向きなSWFの代表格でしたが、ここ数年の日本への投資は成功していません。

彼らの今後の方針に象徴されるように、このままでは日本への直接投資は先細りの一途を辿ると考えるのが妥当です。

そして大底でバカ安になった時、中国が浚(さら)っていく姿が目に浮かびます。

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