人民元はゆっくりとしか上がらない
中国には過去6カ月で、1500億ドル(13兆5千億円)の投機マネーが海外から流入したと言われていますが、これらは大量の人民元となり、国内市場での資産インフレを演出しました。
しかしながら、世界最大のドル保有国であり、誇り高き中国は、海外からの圧力で切り上げたという印象は絶対に与えません。
輸出への影響を限定的にしながら元の購買力を強くしていくことは中国の利益ですから、ひたすら自分の都合だけで、いかなる市場の期待よりも、緩やかに上げていけば良いのです。
中国の10月CPIは-0.5%。
前月の-0.8%よりは0.3ポイント下げ幅が縮小しましたが、無論インフレを心配するレベルではありません。
不動産バブルは深刻です。
日本のバブルの時も、CPIの安定を他所(よそ)に、株と不動産が踊りました。
従って、元高よりも融資規制が効果的です。
急激な為替の変化は実体経済以上の資産価格高騰を生じさせ、いずれ元に戻る時のデフレ圧力で長期不況を招く。
それが日本の失敗から学んだ中国人の知恵であり、エリート資本主義だからこそ出来る技だと当局は国民に見せつけるでしょう。
選挙で選ばれていない中国共産党首脳の正当性は、正しい経済政策を継続することでしか維持されません。
その真剣さは、失敗を詫びて済む日本の比ではないのです。
この記事が参考になりましたら BlogRankingに一票をお願いいたします。
Comments
この動画は中国の資産バブルの一端でしょうか?先日招かれて上海、杭州あたりを回ってきましたが、不動産価格は日本の方が安いくらいでした。
China's empty city
http://www.youtube.com/watch?v=0h7V3Twb-Qk
Posted by: code geass | November 16, 2009 10:26 PM
香港で50億円のマンションが話題になっていますが、これが坪29百万円。
北京・上海も、所得水準から見ると高過ぎるので、いずれ大きな調整が入るのは確実です。
但し、中国はそこで終わらず、再び起き上がると私は見ています。
Posted by: akazukin | November 16, 2009 10:47 PM