英ポンドは最後の出遅れか
現在ポンドを積極的に買おうという人は、まあいないかと思われます。
アメリカのコピーのような金融依存型経済に向かった結果、金融危機により最も下落し、かつ最も戻りが遅いのがポンドです。
当然ながら財政事情の悪化も著しく、格付け機関は格下げタイミングを狙っているといわれています。
最大のバブルは、アメリカの住宅ではなく、実はポンドだったとのかもしれません。
ポンドがドルの2倍以上というレベルに戻ることは、まずあり得ないように思われます。
対円チャートですが、地下鉄初乗り1000円(*)が話題になった1ポンド250円水準は異常として、長期的に見ると、ポンド円は180円程度が平均でした。
(*)初乗り料金はCASHの場合4ポンドですが、プリペイドカードでは1.6ポンドなので、1000円はオーバーで400円程度。無論、それでも高額ですが。
2年前まで、あらゆるリスク資産が3割~4割程度嵩上げされていたという事情を考えると、180円の実力が250になったのは頷けるところです。
一方、金融危機後の大混乱の時でも120円前後だったことから、現在の水準からの下げ余地はせいぜい10円程度と見ます。
イギリス経済の見通しが明るいとか、金融街シティが復活するとか、北海油田が意外にも埋蔵量が残っていたとか、ポンドはユーロに統合されるのではないかとか、そうした様々な可能性はともかく、イギリスとポンドが存在する限り、今の対円交換水準が歴史的な安値圏にあることだけは事実です。
来年もしかすると第二のビートルズが現れて、外貨を稼ぎまくるかもしれません。
リスクとリターンの関係は、下値と上値、それぞれの可能性のレンジ比較です。
日本と英国、どちらの老大国が今後の世界の変化に対応していく能力があるのか、と聞かれれば、世界の答えは皆同じでしょう。
私が良く知るシンガポールのジム(向こうは私を知らないようですが)は常に、歴史的低水準にあるモノを買え、と言っています。
(筆者注)本稿は全くの思いつきのポジショントークであり、根拠に基づかない妄想が含まれています。
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