債務の後始末
あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
2010年、市場の最大のテーマは、「借金(債務)の後始末」だと思われます。
アメリカだけで、昨年の財政赤字額が120兆円超。
日本が50兆円規模。
EU圏+イギリスでも、100兆円超。
先進各国は支払利息を抑えるため超低金利政策へ向かわざるを得ませんでした。
一時的に世界から「金利」が消えた結果、株や商品という「低利回り資産」に資金が戻り、金融市場は崩壊を免れました。
金融危機によって投資マネーが急減したため、各国中央銀行は「減ったものを埋めるのだ」と通貨を乱発。
ペーパーマネーの大増発は次なる通貨不安の種を撒き散らしました。
借金だらけの世界では「誰の債務でもない」商品価格が急上昇。
ロイター/ジェフリーズCRB指数は年間で+23%と、過去36年間で最大の上昇幅となりました。
株式の反騰に比べると大したことがないように思われますが、我々がモノを買う時の購買力が平均で23%もダウンしたと考えれば事件です。
とはいえ商品には、金利や配当という「努力義務」がありません。
投資マネーはコモディティに向かいつつも、金利という羅針盤が欲しいのが本音です。
金利の付くコモディティはないのか。
資源の裏付けがあるオセアニア通貨やカナダドルにも資金が向かいました。
今後、少しずつ世界に金利が戻ってくれば、「誰の債務でも無いモノ」から「少しでも確実で利回りがある債務」に目が向かいます。
日本政府が、国民の甘えの構造を票に結びつけようとし、増加する債務と減少する税収という組み合わせで進むなら、政権交代による変化は「革命」どころか、「信用の後退」と市場は判断するでしょう。
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