日本人は何時まで国債を買うのか
日本には財務省出身の癖に、国債なんかいくらでも市場は消化できると喚くオッサンがいますが、冷静になれば二つの間違いを犯しています。
市場に絶対はないということと、国が決める金の使い方は効果が薄いということです。
海外から見れば、日本財政の破綻は秒読み段階であり、最近は毎日のようにこの話題が活字に(死語か?)なります。
FTも27日付けで、「IMF Warns on Japan's Rising Debt 」という記事を載せています。
高齢化により貯蓄率が下がる日本では、2010年代半ばに国の借金を支えきれなくなるだろうという主旨です。
ある日、何の前ぶれも無く、新規国債の未消化が出る。
動揺した債券市場が下落。
金利は上昇。
しかし、為替市場で円が売られる。
株式市場は円安に反応せず、不気味に下落。
不安は加速。
政府、日銀は「安心です」というだけで何も出来ない。
個人投資家と外人が円売り。
主婦層までが預金をおろして金貨や外貨買い。
郵便貯金が解約されれば、斉藤次郎も打つ手なし。
緊急の日銀の買い支えは問題の深刻さをアピールするだけ。
すったもんだで数ヵ月後に国会が消費税大増税を決めて混乱が収束した時には、大幅な円安で輸入物価が高騰。
結局、国が借金を解決するには、国民から資産を巻き上げるしかないのです。
円高は私のような欲張りが、「今年は儲からなかったなあ」という程度のことで済みます。
円を刷れば日本人の生活は安泰。
しかし、資本逃避による深刻な円安は日本全体の生活レベルを劇的に下げ、一気に中国人の平均レベルへと近付ける事で問題を解決しようという動きです。
どちらを真の「リスク」と捉えて備えるべきかは自明だと思われます。
この記事が参考になりましたら BlogRankingに一票をお願いいたします。
« 海南島バブル | Main | 安さ爆発ユーロドル »
Comments
ダメなことはわかっているがポートフォリオのリスク低減には極めて有効…というジレンマ。
20%を維持すべく、ほぼ毎月のように投資しています。もちろん、外貨建資産の方が多いので円暴落は望むところです。
Posted by: NONAME | January 31, 2010 08:37 PM
追記ですが最終段階まで行ったときには、日本株および日本国債は「買い」だと思います。
Posted by: NONAME | January 31, 2010 08:40 PM
akazukinさん、こんばんは。
国債は日銀が買えるだけ買えばよい。外国に借金がないのだからデフォルトはありえない。
適度な景気対策を行うことで、借金は増えてもGDPは拡大するので、対GDP比の国債残高は減少する、という理屈は正しくないのでしょうか?
Posted by: iceberg | February 02, 2010 10:10 PM
確かに日銀が国債を全部引き受ければ(現在は禁止されていますが)、とりあえずデフォルトはしません。
しかし、これはただ紙幣を刷り続けるというだけのことなので、信用はガタ落ち。
株式市場と為替市場で日本売りとなり、インフレが進み、単なるデフォルトよりも酷いことになるかもしれません。
なお、デフォルトが起こるかどうかは、借金/GDPの比率の問題ではなく、国債会計の純粋な資金繰りの問題なので、仮に「対GDP比の国債残高は減少する」としても、安心材料にはなりませんね。
比率は無関係に、国債の絶対額が国民の消化能力を超えれば、そこで「ドボン」です。
消化能力とは、結局「買う気持ち」の総量なので、計測不可能です。
まだ安心という人は、まだ金融機関や国民が国債を買うに違いないと決め付けているのですが、そういう保証がどこかにある訳ではないです。
Posted by: akazukin | February 02, 2010 11:03 PM