中国も迷っているはず
FTが、「China’s hinterland picks up baton」という記事で、湖北省の省都「武漢」の様子を取り上げていますが、それによれば、武漢の平均所得は年間18400人民元(26万円)。
一般に、消費主導経済の入り口とされる3000$(27万円)に達したものと見ているようです。
一方、成長率に劣る沿海部では不動産が高騰。
不動産バブルだけをピンポイントで潰し、実体経済は8%成長を続けるという難しい舵取りに中国はチャレンジしています。
G7は人民元を切り上げればグローバルインバランスが解決するという立場でしょうが、中国の国内事情としては、通貨高で輸出企業にショックが来れば、痛むのは内陸から来た農民工です。
全体としての過剰流動性は抑制されても、通貨高は不動産に有利。
輸出が痛んで不動産の既購入者が喜ぶ方策は中国政府として取りにくく、中国が転べば結果的に世界が困ります。
EUも中国も、本当は地域ごとに金利を変えたいのですが、それが出来ないのが悩みです。
無論中国も、いつまでも人民元切り上げを躊躇(ためら)えば、日本型バブルになる危険性は理解しています。
グラフのように、85年から88年にかけて円は2倍の価値になり、沸騰した経済は一瞬で終わりました。
円の切り上げが遅くなりすぎたことが平成バブルの遠因です。
中国の政権内部での議論も、切り上げの可否よりも何時すべきかに移りつつある様子が断片的に伝わってきています。
面子を維持しつつ、どう実を取るか。
中国も悩んでいます。
先進国の人民元切り上げ圧力と中国のプライドを、日本が上手く仲介できれば、両方に恩が売れます。
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