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March 09, 2010

なぜ中国は超格差社会となったのか

全人代に先立って開幕した人民政治協商会議では、収入の上位10%と下位10%の所得格差が、1988年の7・3倍から2007年には23倍にまで拡大したとの報告がなされました。

自分たちの政策失敗を極力隠そうとする共産党が、敢えてこうした「歪み」を発表したのは、これ以上の格差を容認すれば、農民革命から始まった共産党が再び農民からの不満で転覆するとの危機感が高まった証拠だと思われます。

中国の現状は過酷なまでの競争主義であり、そのストレスからか、それともトカゲのしっぽ切りか、地方官僚の自殺も増えています。

そもそも中国では土地の私有が認められていないので、バブル化しているのは土地使用権です。
開発の権限を持つ官僚組織が「金の小槌」を持ち、そこに取り巻く権益がカネを生みます。

農民のためと思って内陸部開発を行えば、その立ち退きに利権が生まれ、貧しい農民は迫害されます。

閉じた政治システムが故に、血縁と賄賂が開発マネーの通り道を舗装し、中央の目の届かない地方ほど一部の幹部のみが肥え太る構図が顕著になります。

中国は豊かさの分配によって政治的な不満を抑えて来ましたが、豊かさが増えるに連れて、豊かさを適切に分配するシステムが備わっていないことがアキレス腱になっています。

今中国に必要なのは、ある程度の痛みを覚悟で人民元を切り上げて過剰流動性を抑制することですが、日本が円高で滅びたという歴史認識が決断を遅らせています。

また、政治的には段階的に選挙の自由化を進めて権力の監視を行える体制へと舵を切ることが必要ですが、ここではソ連の歴史が邪魔をしてしまい、民主化路線は「お前はゴルバチョフの二の舞を招くのか」と批判されてしまいます。

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