排出権商人
良く取材してあるだけに、排出権取引に関わる専門用語が飛び交う場面が多くて読むのに疲れますが、このビジネスがホッキョクグマを助けることといかに縁遠いものであるかは伝わるストーリーになっていると思われます。
排出権商人のエピローグから。
『過去10年間、大気中の二酸化炭素の量が急増しているにもかかわらず、地球の気温上昇は止まっている。
(中略)
地球温暖化問題は、冷戦が終了し、仕事がなくなった科学者たちを大量にかかえた欧米諸国が、国際的影響力の拡大、新たな商売のネタ、中東へのエネルギー依存度の低減などを狙ってデッチ上げた「世紀のペテン」である。
そこにクリーン・エネルギーであるLNGや原子力の関係者、国連官僚、認証機関、コンサルタント、金融機関などが乗っかったのだ。』
ペテンかどうかはともかく、地球温暖化問題は政治的経済的外交的な思惑の対象となり、野心的な目標は、「鴨が来たぞ」の拍手で迎えられます。
そもそも人間が地球の気象をコントロール出来る、という考え方自体が大変な傲慢であり、思い上がりであるとも言えます。
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