日本にはリスクマネーが足りない
ファイナンシャルタイムスは先週5日付け記事「Japanese businesses bow to need for cash(日本企業は頭を下げて資金繰り)」で、かつて日本企業は乱暴なヘッジファンドの買収に脅えていたが、今は自らチャイナマネーの軍門に下っている、と書いています。
実際、日本の中小ベンチャー企業は資金に困り、台湾などアジア圏に出資を求めて奔走していますし、研究費が欲しい優秀な頭脳はシンガポールに逃げています。
5月にレナウンが中国企業の資本参加を得ましたが、その額わずか40億円。
円ベースでの金利にすれば、年間4000万円程度。
カルロス・ゴーンなら個人で軽く払えてしまいます。
レナウンは落ちぶれた赤字企業ではあります。
いまだに「(傘のマークの)アーノルドパーマー」「シンプルライフ」など、"?"と思われるブランドを抱きかかえた往生際の悪さも持っています。
とはいえ、債務超過でもなく、年間1000億円以上の売上げがあり、BPS410円に対して120円の割り当て。
腹を括って40億円出せるのなら、破格の条件とも言えます。
レナウンには販路確保のため中国企業が好ましいという目的があったにせよ、国内にリスクマネーが豊富にあれば、もう少し良い条件での資本参加も交渉出来たと推測されます。
かつて安倍ハライタ内閣の時、再チャレンジ推進会議という試みがありましたが、何の成果もなく終わりました。
再チャレンジを支援する社会にするには、「全損しても良いから”やってみなはれ”」という気前の良い資金が必要で、そのためには資本の不平等な蓄積が前提です。
サラリーマンが経営するベンチャーファンドなどではリスクテイクに限界があります。
私は高額給与の人を羨ましいとは全く思いませんが、その使い方については、もっとモニターしても良いと思っています。
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