デフレの原因は人材の貧困
円高によって輸出企業の売上が目減りするため、安い人件費を求めて工場が海外へ出て、国内雇用が空洞化すると報道されます。
言い換えれば、日本人の人件費が割高になったから工場が外へ出るということになります。
例え割高でも、それを補うほど優秀であれば、企業は喜んで高い賃金を支払いますが、この20年間、日本はゆとり教育で人材開発に手を抜き、海外の頭脳を日本へ呼び寄せる工夫をするでもなく、橋、道路、ダムなどで借金を増やしました。
この間、新興国は徐々に我々に追いつき、日本の人件費には強い下方圧力がかかるようになり、我々の給与は上がらなくなりました。
日本の雇用者報酬の合計は、大体250~260兆円。
GDPの2分の1を占めます。
いくら低金利にしても、GDPの半分を占める給与収入が上がらなければ消費は増えません。
長引くデフレは、国際競争力ある人材とは何かを踏まえた戦略的な教育投資を真剣に考えて来なかったことに原因がある、と言えるのかもしれません。
とりわけ、政界における戦略的思考の欠如は極めて深刻な事態です。
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Comments
おっしゃる通りです。
一般的傾向として日本人は何が自分たちのチャームポイントかを少しだけ忘れているように思います。
ビジネスシーンで日々中国人のエスタブリッシュメントと折衝するとその緻密さと押しの強さに圧倒されます。はっきり言って日米欧の比ではないと感じます。
以前中国のある大学では図書館を真夜中に閉館するとテレビで放映していました。遅くまで勤勉と感嘆していたら、その理由は「閉館しないと朝まで勉学に励んで学生が病気になることを大学が心配する」というもので、感嘆を通り越して恐怖を覚えたことを鮮明に覚えています。
今度、韓国の人気ガールズユニットである「少女時代」が日本デビューするということで話題です。日本デビューですから日本語で歌うわけですが、彼女らは殆ど中国語又は英語もできるということらしいです。芸能一つとってみても日本との意気の格差は歴然です。
私も、ごく周辺の鬱積は放置して、アジアについて行くぞ!と覚悟をもつようになりました(笑)。
Posted by: Blue | September 01, 2010 09:34 PM
韓国の人は、日本と中国のマーケットを視野に入れないと生き残れないと考えていると思います。
日本で同じような戦略意識を持っているのは、AKB48くらいでしょうか。
中国の人は、自国がアジアのネットワークの中心といった思いで、考えているように感じます。
韓国の人が外に飛び込む気持ちなら、中国の人は内が広がる感じでしょうか。
日本人は、太平洋の向こう側とユーラシア大陸の西の方ばかりを見ていたため、足元のアジアについては案外良く知りません。
今からが、本格的な「脱欧入亜」の黎明期であり、我々がアジアを勉強する時代になると思われます。
Posted by: akazukin | September 01, 2010 10:12 PM