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August 16, 2010

アジア投資の時代

今日もそうですが、NYが下がった翌日でも中国・香港株は堅調、あるいは下げ渋るというケースが増えてきました。

正直言って、この先欧米経済は厳しいと思います。

政府の負債が大き過ぎます。
国民は貯蓄か増税、どちらかを迫られ、消費は伸びず、政府は景気刺激策を打てません。

世界のバランスシートを考えた場合、債権者はアジア。
投資マネーは、欧米経済の反発とアジアの成長の持続、どちらのシナリオの実現性が高いのか判断することを要求されます。

たまには、普段見過ごしがちなアジア各国市場の株式相場を確認してみます。(数値は13日終値ベース)

Taiwanchart
まずは台湾。
年初からは4%ほどマイナス。

最近インテルやシスコの株価が冴えず、IT関連需要に陰りが見られるので、シリコンアイランドである台湾には、目先注意が必要かもしれません。

Chart
タイは年初から15%アップ。
あれだけ大騒ぎした政情不安の影響はほとんど無いようです。

上半期の輸出は過去最高となり、ASEANの製造工場としての地位が復活しています。
植民地にされなかった誇り高きタイには、今後とも政情の安定を期待したいところです。

Photo
インドネシアは年初来20%上昇。

陸軍きっての秀才と誉れ高きユドヨノ大統領が昨年再選され、当分は政情の安定が期待されることもあり、経済は絶好調のようです。
株価は7月以降、何度か史上最高値を更新しています。
FTも、「眠れる虎がついに目覚めた」と報道しています。

Photo_2
シンガポール株は、年初来でほぼ変わらず。
株式よりも実物不動産市場の方が値動きが激しい印象があります。

抜群の立地と絶対的な政治安定度に加え、常に競争を意識した政策。
中国マネーの流入が途絶えることはないような気がします。

Chart_2
マレーシアは年初来7%上昇。
日本人には旅行先としてもメジャーとは言えず、全体にやや面白みに欠ける国という印象ですが、実は全てにおいて堅実な国といえそうです。

お国柄、中東のイスラム系資金の取り込みにも成功しています。
色々な面で、ちょっと穴場の国と言えるかもしれません。

Chart_4
ベトナムは若い人口構成、勤勉な国民気質など、常にその潜在力を期待されてはいますが、株式市場は年初来マイナス8%。

先月末にはフィッチが格下げするなど政府の信頼度にやや難があり、潜在力の割には金融市場が未発達で、安定感に欠ける印象です。

個人的には、アメリカとの戦争に打ち勝った「しぶとさ」や、女性の「逞しさ」は相当のものだと思っています。

投資するなら、香港市場のETF「dbx-trackers FTSE VIETNAM ETF」が最も簡単かと思います。

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