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August 25, 2010

AKB48の握手券は有価証券

Akb3人気アイドルグループ「AKB48」のメンバーと握手できる券を偽造したとして、有価証券偽造・同交付罪に問われた無職大井邦彦被告(25)に対し、東京地裁(近道暁郎裁判官)は25日、懲役1年6カ月執行猶予3年(求刑懲役1年6カ月)の判決を言い渡した。

 握手券が刑法上の「有価証券」にあたるかが争点となったが、判決は「ネットオークションで売買されていることなどから、財産的価値があるのは明らかで有価証券にあたる」と判断し、弁護側の無罪主張を退けた。

 判決によると、大井被告は昨年11月に握手券15枚を偽造し、東京都渋谷区の路上で少年に譲り渡した。

有価証券を広辞苑で調べると、

私法上の「財産権」を表彰する証券で、その権利の移転が証券によってなさるべきもの。手形・小切手・貨物引換証・船荷証券・倉庫証券・株券・債券・商品券・抵当証券の類。

となっています。

握手する権利が財産権か。

「財産」と呼べるためには、「換金可能であり、それを預金すれば利子も貰える」権利であるべきだと思いますが、判決がネットオークションを例にしているように、確かに現代では容易に換金できます。

昔のように、換金手段がダフ屋しかないような状態であれば、財産的価値があるのは明らか、と断言するのは、ちょっとつらそうです。

例えば不動産の場合で考えてみると、証券化される前から十分な換金性があり、証券化されてさらに流動性プレミアムが付くものと理解されます。

握手券は、本来の「握手する権利」そのものは極めて換金性が低いのですが、最初から証券化されていることとネットオークションが当たり前になっているという現代的な事情が「財産」という概念を変えた画期的判例(?)として歴史に残ると思われます。

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