ジャパン・アズ・ナンバースリー
WSJの社説「ジャパン・アズ・ナンバースリー」。
日本人の平均所得は(米国で最も貧しい)ミシシッピ州の住民よりも少ない、と断定しています。
これがあのWSJの社説かと疑いたくなるくらい、薄っぺらい内容に感じられました。
中国の発展に関しては、日本の成長期と比べて、所得の再分配機能があまりにお粗末という特徴があります。
自分の責任ではなくスピードに乗り遅れた人々に対する配慮があまりに低いのです。
しかも、富の分配は共産党関係者に有利に、いびつな方法で行われるため、地方に行けばいくほど官僚の腐敗に対する農民のストレスは大きい。
「我が国は皆が自由に発言すれば国がバラバラになる。だから共産党に従いなさい。」
という大ウソが、一体いつまで通用するでしょうか。
日本の停滞は、潜在力を活かしきっていないという面で大いに問題であり、若者世代に大きな価値観の転換を強要していますが、これは全てにおいて高齢者に手厚すぎるのが大きな要因です。
高齢者が過去の果実を総取りした経済的勝者であり、かつ現在も政治的圧力集団として子孫に借金を負わせ、医療費を使い放題で余生を暮らす、という政治的選択は、今後どの先進国にも起こりうる悲劇であり、そこから何を学ぶか、という点で日本をみつめる必要があります。
中国は急速な経済発展で都市と農村に巨大な不公平が生まれ、日本では急速な高齢化による弊害を制御するシステムが存在せず、世代間の不公平に解決の兆しが見えません。
どちらの不公平が世界経済に重大な影響を与えかねないリスクであるか。
考えるまでもないと思います。
P.S.[FT]「世界2位の経済大国になる中国」 の方は、内容がだいぶマシに思えます。
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